日本コロムビアを買収したフェイスの「素顔」 元気のない日本の音楽産業をどう変えるか?
同社には、気になる点もある。2014年3月期末の有価証券報告書を見ると、フェイスの自己資本比率は69.6%で、時価総額115億円を上回る利益剰余金141億円を抱える、キャッシュリッチ企業だ。が、筆頭株主の平澤社長39.63%に続き、「もの言う株主」として注目された旧村上ファンド出身の三浦恵美氏が代表を務める投資会社のレノ(東京・港区)が7.58%で、第2位に名を連ねているのが目につく(直近2014年10月1日時点で8.07%)。
この件について平澤社長に尋ねると、「村上世彰氏とは面識はあるが、現在は全然関係はないし接触もない」と回答。2012年3月から始まったレノの株式保有については、「2位の株主だから、当然気にはなるが、こちらから接触はしないので、何もわからない」と困惑気味だ。
フェイスによれば、前期決算説明会に三浦氏は姿を現したものの質問はせず、株主総会には来ていなかったようだ。レノは今夏、アコーディア・ゴルフの筆頭株主として、会社側に社外取締役全員の解任や200億円以上の株主還元など、強烈な要求を突きつけて注目を浴びたばかり。彼らの意図や動向は、注視しなければならない。
グループ内で全て完結できる
「消費行動の流れが今、うちのグループの中ですべて完結できる」と、平澤社長は声を弾ませる。そのきっかけとなる「街鳴り」的なものを、これからインターネットラジオのFaRaoが提供する。これがどれだけ広まっていくかが、今後の成長のカギだ。
フェイスは全グループ会社で、取り扱い楽曲が200万曲以上、アーティスト1万組以上、ユーザー数1200万人以上を誇るという。しかし、現在までのところ、傘下企業の有機的な連鎖は、まだ活発化しているようには見えない。局面を変えるためにも、FaRaoの普及に掛かる期待は大きい。
(撮影:今井康一)
フェイスの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら