日本コロムビアを買収したフェイスの「素顔」 元気のない日本の音楽産業をどう変えるか?
順風満帆で進んできたかに見えるが、米アップルから「iPhone」が発売された2007年をピークに、主柱だった着信メロディの技術ライセンスとコンテンツ配信による収益は減少に転じた。従来型の携帯電話からスマートフォンへと主軸が移るなか、現在も収益は漸減傾向だ。そして2010年にコロムビアミュージックエンタテインメント(現・日本コロムビア)の筆頭株主(持分法適用会社)となる。100年の歴史が持つ資産を、新たなグループ再編成の重要な核にするべく、温めてきた。
以下はフェイスが擁するグループの主だった会社群だ。
フェイス(コンテンツ流通の仕組み構築やインターネットラジオ「FaRao」運営)、フューチャーレコーズ(新人アーティスト発掘、関連著作物の企画制作)、日本コロムビア(日本最古のレコード会社)、フェイス・ワンダーワークス(日本最大の着信メロディサイト運営)、ライツスケール(インディーズ700レーベルと契約するアグリゲーター)、エンターメディア(ファンサイトの構築・運用やファンクラブ運営)、オーケーライフ(日本最大級の音楽SNS)、グッディポイント(ポイントサービス提供)・・・。
アーティストとの接点を拡大する
これらがひとつに連なることで、「音楽ビジネスの全機能をワンストップサービスでプラットフォーム化できる、唯一の企業グループになった」と、平澤社長は自信を見せる。
”道具立て”が差し当たり整った今後、フェイスはどのように成長していくのか。「音楽業界はこの1、2年でビジネスモデルがどんどん変わっていく。悪く言えば戦国時代だが、よく言えば100年に一度のチャンス到来だ」(平澤社長)。
そこで重要になってくるのは、レコード会社やレーベルではなく、アーティストである。すでにアーティストはネット経由で直接ユーザーに配信できる時代。その接点の拡大をサポートするビジネスを確立することを目指す。
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