鹿児島県民が大絶賛する「飲食チェーン」の正体 特別な日には1000人以上の行列ができることも
平日の昼時、土日のそば茶屋はかなり混雑していて行列ができている。しかし、席数が多くメニューの提供がスピーディーなので、客の回転は速い。並んでいたら、さほど待たずに案内してもらえることが多い
「常日頃からメニューを早く提供するための前準備のあり方を営業の中で強化しています。早くておいしく提供できるメニュー構成やキッチン内の動線、従業員がサービスしやすい店内のつくり、こういったことを会長自ら今でも現場を回って意見を聞きながら常に改善しています」
現場重視がフェニックスの企業姿勢だ。本部運営に携わる社員はすべて現場で店長職などを経験しており、トップの会長や社長もその例に漏れない。統括的な役割を担う社員が、すべて現場を熟知しているからこそ、本部と現場の連携がうまくいっているのが強みである。
1日で20トンものそばを消費する「そばの日」
そば茶屋の一大イベントは、毎年10月8日のそばの日である。この日は300円でそばの食べ放題を楽しめる(※現在はコロナ禍で停止中。代わりに「ざるそば・かけそばセット」350円の提供に変更中)。また、そばの持ち帰り価格もいつもより安い特別奉仕価格になる。
「おそばを作って下さる方、いつも来てくださるお客様、そば茶屋に関わる多くの方への感謝を込めて、多くの人におそばをお腹いっぱい食べて欲しいとの思いで始めました」
この日1日で、全店舗合わせると約20トンものそばが消費される。最高で13杯食べる人がいたそうだ。
「そばの日を毎年楽しみにされているお客様が結構いらっしゃって。現在はコロナの影響で中止しておりますが、状況が良くなったら復活させて、皆さんに満足いただくまでおそばを食べていただきたいですね」
年越しそばの行列は、鹿児島冬の風物詩
もう1つ、そば茶屋を語る上で欠かせないのが、年末の年越しそばだ。創業当時から販売しており、2007年には10万食、2021年には15万食を売上。販売量は右肩上がりで、この14年では1.5倍にも増えている。
多い日には1000人以上の行列ができている。店内で飲食をするのではなく、渡すだけの持ち帰り品の購入でこれだけの行列だ。12月末にそば茶屋で年越しそばを求める人たちの行列は、いつしか鹿児島冬の風物詩のような恒例行事となっている。
「各店舗でそばを湯がいて1つひとつ手作業で袋詰めしております。従業員を増員して販売にあたっておりますが、追い付かないくらいで、今はこれが精いっぱいです。年の最後は吹上庵のそばを食べたい、厄を払いたいというお声をいただいております。そうやって鹿児島県民の方々が支えてくださって今があります」
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