ソニーのスマホ事業、新トップの課題とは?

拡大戦略からの転換を果たせるか

牽引役のはずが、業績の足かせとなった背景には、中国市場急変のほかに、SOMC現社長の鈴木国正氏による拡大戦略の責任を問う声も多い。「スマホは今の競争環境では、差異化して勝てる見込みは少ない。が、鈴木氏はシェア3位目標を公言し、拡大戦略を推進した」(UBS証券の桂竜輔アナリスト)。

ソニー最大の問題点はマネジメントの方向の不一致にあったとも桂氏は指摘する。「(CFOの)吉田氏と十時氏は赤字縮小へ向け、ブレーキを踏もうとしたが、鈴木氏はなおアクセルを踏んでいた。これでは傷が深くなる」。

再建に立ちはだかる高い壁

拡大戦略の見直しは、7月時点ですでに公言されており、十時氏就任であらためて方向が定まったといえる。同氏は会見で「売れる前提で数は追わない。合理的にどれだけ売れるか、丁寧に追いかけたい」と強調。中国事業は大幅縮小される見通しだ。

ただ再建のハードルは高い。十時氏は新規事業で実績を上げているが、モバイル事業の経験は乏しい。自身も「ソネットではプロバイダとして通信事業には接していた。ただし、これは主に国内で、今後はグローバルでマネジメントする必要がある」と気を引き締める。

またソニーは伝統的に事業部の声が強く、「本社から落下傘で(スマホの)事業部に来て、従業員と関係を構築できるか」と懸念する声もある。

11月25日、ソニーは各事業の戦略説明会を開き、十時氏も詳細を語る見通し。再建の本丸、スマホ止血をどう果たすのか。十時氏にかかる責任は重い。

「週刊東洋経済」2014年11月15日号<10日発売>の「核心リポート05」を転載)

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