山田隆持・NTTドコモ社長--海外キャリアもiコンシェルに注目
iコンシェルはこれから大化けするサービス。グーグルは広告モデルで成功したが、iコンシェルではそれに位置情報がつく。お客様が行きつけのスーパーの横を通ると、「タイムセールやっています!」と的確に送ることができる。
今までは対応する端末の台数が少ないところが難点だったが、来年の前半くらいに1000万台を超え、広告媒体として楽しみになってくる。
中小企業にとっては、自社の情報を配信する新たな手段になる。従来は各自にサーバーを立ててもらう必要があったが、個人商店などには対応が難しかった。だから、ドコモのサーバーから配信を代行する形でやっていきたい。これで、地元の商店街や企業からの地域情報をどんどん配信していくことができる。
役に立つ地域情報をどれだけ拾ってこられるかがカギになるだろう。今、各エリアの法人部門が主体となって、何百という数の地域情報を集めている。すでに日光の観光情報など、うまくいっているものもある。こうした、ある地域でうまくいったものは別の地域にも水平展開して、各地域の情報を充実させていく。
「できる」から「してくれる」へ
国際会議で海外に行くと、他国の通信キャリアのiコンシェルへの注目度は高い。「ユーザーがどこにいるのかわかるから、的確に情報を送れる。よい広告モデルになるよね」と言われる。海外の投資家からも「伸びる可能性があるんじゃないか。うまくやれよ」と期待されている。
携帯電話の機能は今まで「~できる」だった。電話ができる、ネットサービスができる、そして電子決済でお買い物ができる。
だが、これからの携帯電話は「~してくれる」の時代になるだろう。われわれはこれを「携帯のパーソナル化」と言っている。
携帯電話はつねに肌身離さず持っているため、いつでも情報を受け取れるし、オートGPSで位置もわかる。膨大な情報の中から、そのとき、その場所で、お客様に本当に必要なものを提供していくことができる。ただ、余計なお世話にならないよう、気をつける必要はあるだろう。
(桑原幸作 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年11月6日号)
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