医師と弁護士の「働き方」に未来はあるか? 弁護士ドットコム×メドピア 社長対談(第2回)

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――今まで強力な競合は出てこなかったのですか?

元榮:私は弁護士とは協力関係にあると思っていますが、強いていえば「法テラス」でしょうか。日本司法支援センターという公的機関による運営です。あとはサイトではありませんが、リスティング広告ですね。「弁護士」と1度検索すると、ほかのサイトを見ていても弁護士事務所の広告が出てくるようになる、あれです。

でもポータルサイトとしての類似サービスはいっさいいない。ほとんど儲からない、というより持ち出しでしたから。それで続けてきたところがなかったのだと思います。

二極化する弁護士、世界的にも激務の医師

石見:弁護士ドットコムに登録している弁護士さんのネットワークは、何人くらいいるんですか。

元榮:今、約7000人なので、日本の弁護士の5人に1人が会員です。有料会員は先月1000人を突破して、毎月100人程度、増えています。

石見:すごいスピードですね。

元榮:おかげさまで月間600万人を超えるサイト訪問者数がありますから、本当にユーザーの方とはよくつながるようになっています。

――サイトを設立された頃と違い、近年はロースクール出身の弁護士が急激に増えて、弁護士間の競争が厳しくなっている印象があります。

元榮:確かに、2000年代までは依頼者の方が、本当に一生懸命弁護士を探してくれたんですね。ひとりの弁護士と出会うまでの手間が大変だったので、ひとり見つかった後は相見積もりをとることもなく、「お願いします」という時代だった。でもその後、弁護士がずいぶん増えて、僕が弁護士登録した2001年に1万7000人だった弁護士が、2013年に3万5000人になりました。

石見:今もそのくらいのペースで増えているんですか。

元榮:ほぼそうですね。いまでも毎年1500人くらい新規参入しています。13年間で弁護士の数が倍になったので、さすがに競争が促進されている。やはりちょっと厳しくなってきたかなという感じはしますね。日弁連が発行している「弁護士白書」を見ても、マーケットは拡大していますが、弁護士1人当たりの売り上げが若干下がってきていますね。

――ものすごく稼ぐ弁護士さんと、厳しい状況に置かれた弁護士さんと、二極化していると言われます。

元榮:感覚的にはそうですね。というのも国税庁の資料の中で、自由業に占める1億円プレーヤーの職業を見てみると、弁護士が圧倒的に1位なのです。プロ野球選手より絶対数も多いし、医師と比べても割合が多いんですよ。

ただ、昔は二極化の下のほうの層がいなかった。二極化する前はもうちょっと社会主義的な状況だったのが、下の層が生まれて、それが珍しいということでマスコミに取り上げられるようになったため、目立つだけではないでしょうか。

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