続々上場!弁護士、医師がなぜベンチャー? 弁護士ドットコム×メドピア 社長対談

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写真左より、メドピアの石見陽社長、弁護士ドットコムの元榮太一郎社長
 今年、異色ともいえる企業の上場が相次ぐ。ひとつは医師向けに国内最大級のコミュニティサイトを運営するメドピア。もうひとつは、法律相談の大手ポータルサイトなどを運営する弁護士ドットコム(来月に上場予定)。両社の共通点は、国家資格を持つ社長が創業したということ。弁護士ドットコムの元榮太一郎社長は弁護士で、メドピアの石見陽社長は現役の医師である。
 なぜ彼らはベンチャー経営に挑むのか。規制業界でベンチャーをやるということの背景にある問題意識や、着想の原点などについて聞いた。

 

規制業界でなぜベンチャー?

――おふたりとも医師、弁護士という国家資格をお持ちでありながら、ネットベンチャーを起こしたという共通点があります。問題意識や目指す地点なども似ているところがあるのではないでしょうか。そもそも、おふたりがベンチャーを興した背景には、何か業界を変えたいという動機があったのでしょうか。「業界の古い慣習をぶっ壊してやろう」というような。

元榮僕はそういう意識ではまったくありません。むしろ、弁護士業界をもっと発展させたい。「弁護士ドットコム」を作った動機は、深い「弁護士業界愛」なのです。

――愛、ですか。

元榮:医師もそうですが、弁護士は困っている人を助けることができるすばらしい仕事でしょう。それなのに一般の人にとって弁護士は、まだ身近な存在ではない。それは市民や企業にとっても損失なので、困ったときに弁護士を探せるサイトを作ったわけです。

石見:僕も、医者の中でも、現場にいる医者がいちばん偉いと思っています。医者って変わった人も多いけれど、本当にまじめなんですよ。彼らを助ける情報を提供したい。もちろん、その先に患者さんがいることも忘れたくない。それはつねに意識していることです。

元榮:弁護士ドットコムを開業して、つい昨年まで8年間、無料のサービスとしてなんとかやってこられたのは、私がすごいからではない。諸先輩方が脈々と築き上げてきた「弁護士」という職業に対する信頼があって、創業当時29歳だった若造に、「大事なうちの会社の案件を任せてみるか」という企業があったわけです。だからこそ業界に対する感謝の思いが強いのです。

――医師も弁護士も歴史と伝統のある業界ですから、新しい動きに対しては牽制する力も存在しそうです。

元榮:弁護士の世界は、もともと「一見さんお断り」の業界です。知人の紹介をたどって来た人でないと依頼を受けないということもあった。まったく知らない人とインターネットでつながろうというカルチャーではありませんでしたね。

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