塩野:完全に言ってますよ(笑)。ところで棚橋さんはビジネスマンや一般の人向けに肉体改造の本も出されています。男女問わず、誰でもかっこいい体になりたいとか、お腹を引っ込めたいとかあると思うんですけど、どこから手をつけていいかわからない。何かいい方法はないですか。
棚橋:そうですね。皆さんお忙しいので、なかなか運動する時間はとれない。だから手っ取り早いのは食事です。食事だけ気をつければ、ぐんぐんやせますよ。日本の食文化というのは、朝は少し、昼は普通で夜豪勢という、三角形になってるんですね。この三角形の面積をカロリーだとすると、これをグルッとひっくり返して、朝たくさん食べる、昼は普通で、夜はご飯を半分にしたり、野菜と肉だけにしたりして、少なめにするだけでいいんです。面積は一緒だから、摂取カロリーは変わらない。でも朝とったエネルギーは1日で使ってしまうので、3カ月で体重がみるみる落ちます。その代わり、慣れないうちは夜つらいですよ。
塩野:そうですよね。食べたくなっちゃいますよね。
スイーツは寝起きに食べる!
棚橋:どうしても食べたいものは、朝食べるようにする。僕は夜のうちに買っておいたコンビニスイーツを、冷蔵庫のいちばん取りやすいところに置いておいて、朝起きた瞬間に食べるようにしています(笑)。
塩野:なるほど。それは筋トレなどより続きそうです。
棚橋:あとは飲み物。飲み物から知らず知らずのうちに、けっこうカロリーを摂取しているので、コーラをゼロカロリーのものにする、コーヒーを微糖にする、お茶や水を進んで飲むなどして気をつける。「唐揚げ食いたいけど、今日はサバの味噌煮にしとくかな」というだけでも全然変わってくるので。
塩野:それくらいなら、やろうと思えばやれる感じがしますね。
棚橋:心がけひとつです。ダイエットというのは、今日やって明日やせるというものではない。3カ月間気をつけてきた人と、何もしなかった人とでは差が出るよ、ということなので。結果を急いで求めると、「なんだ、落ちないじゃん」となってしまうので、長い目でやりましょう。
塩野:じゃあ、最後に2つメッセージをいただけますか。ひとつは夢を持っている若い人に向けて、何かメッセージを。
棚橋:そうですね。夢を持って、それに向かって努力するのはもちろんすばらしいんですけど、もうひとつ上位の概念があるんです。「夢をかなえることによって、誰かが喜んでくれるんじゃないか」というところに思いをもっていくと、さらに頑張れるんですよ。人って、自分のために頑張るより、他の人のために頑張るほうが力が出るんですよ。
たとえば火事や地震で瓦礫が倒れてきて、おばあさんの足に引っ掛かって抜けない。そういうとき、いつもは持ち上げられないような重いものでも、この人を助けるためだと思うと持ち上がりそうでしょう。だから自分が夢をかなえることによって、誰かが喜んでくれるというところに焦点を持っていくと、より夢をかなえる力になります。
塩野:ありがとうございます。もうひとつは東洋経済オンラインを読んでいるビジネスマン、サラリーマンにプロレスを見に来いというメッセージを。ここに大きなマーケットが広がってます(笑)。
棚橋:いちばん大事なところですね(笑)。僕はいつも、「あなたにとってプロレスとは何ですか?」って聞かれたら、「生き方」って答えるんです。一方的に攻めるわけでもないし、一方的にやられるわけでもない。もしやられて、やられて、やられたとしても、必ずチャンスが回ってくる。これってもう生き方じゃないかと。苦しいときもあるけど、うれしいときもある。だから今苦しい人はチャンスが来るまで耐えていけばいい。壁にぶつかったら、プロレスにヒントがあります。
東洋経済オンラインをお読みのみなさん、愛してます!
塩野:棚橋選手の「愛してます」が聞けました。本日は本当にありがとうございました。
(構成:長山清子、撮影:今井康一)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら