トヨタ、部品会社に示した異例の”配慮” 半年に一度の価格交渉を見送り

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「知るかぎりこうした見送りは初めて」(グループ会社のトップ)。複数のサプライヤーによれば、トヨタは上期並みの値下げを要請する方針をいったん示していたが、最終的にこれを撤回した。

背景にあるのが、傘下の部品メーカー、特に2次以下の中小企業の苦況だ。トヨタは海外販売で円安効果を満喫しているのに対して、国内がメインの中小メーカーはその恩恵を受けられないでいる。

部品メーカーに配慮したワケ

しかも、円安による原材料価格の上昇や電力料金の上昇から、経営はむしろ圧迫されている。また、11年から12年にかけて急速に1ドル80円前後まで円高が進んだときには、「円高協力」の名目で、年に2回ではなく3回の価格引き下げが行われた経緯もある。それだけに部品会社の間では、「この円安でトヨタから還元がないのはおかしい」といった声が高まっていた。

今回の見送り方針にグループ各社も呼応する。「トヨタの趣旨に沿って中小取引先に広く還元するように値下げ(価格改定)を見送りたい」(デンソーの加藤宣明社長)、「エネルギーコストの上昇などで取引先の体質が弱くなると当社も弱くなる。一緒に体質強化を前向きに考えていきたい」(アイシン精機の藤森文雄社長)と述べている。

ある部品会社の役員は「値下げを覚悟していただけに、その分は利益にプラスだ」と喜ぶものの、「将来円高になった場合、トヨタからの値下げ要請を拒みにくいという面はある」と心境は複雑だ。異例ともいえるトヨタの価格改定の見送りは、先々のことを見据えたしたたかな配慮なのかもしれない。

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