ネットで大人気!"ムキムキ歯科医"の正体  嶋田泰次郎医師は、私の主治医でした

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にこやかに取材に応じる泰次郎氏

もともとパトリア歯科では患者1人当たり30分から1時間と、治療時間をたっぷりとかけていた。歯や歯茎の状態を写真に撮り、どこが悪いのかを説明し、これからどういう治療をするのかを納得してもらうのには手間も時間がかかる。歯磨きの指導も泰次郎氏が直接行っている。

「人は自分の歯と一生付き合っていくべきだと私は思います。人生の最大の楽しみはおいしいものを食べることですし、そのためには健康な自分の歯が欠かせません。さらになんでもおいしく食べることができるなら、健康でいられるわけです。そのための歯のケアができるように、一生付き合える歯科医を持つべきですね。私たち歯科医も患者さんとそういうお付き合いができるよう、信頼関係を築いていかなければいけません」

2010年には初出場の大会で優勝

歯科医としてバージョンアップを図ると同時に、泰次郎氏が進めるのは肉体改造だ。いよいよ本格的にボディビルに目覚めてしまったのだ。2010年の「東京オープン」(70kg級)ではなんと、初出場にもかかわらず優勝を果たしている。

「きっかけは、知人が2009年の東京オープンに出て好成績を収めたことです。知人ができるのだから自分もできるはずと考え、翌年の大会に出たら優勝してしまいました」

ところがその後の2年間、泰次郎氏は大会に出なかった。

「食事のコントロールなどがきつかったこともあります。もう二度とやりたくないと思うくらいでした。でもいちばんの影響は、結婚して子どもが生まれたことでしょう。育児をしながらボディビル大会の準備をするのは難しい。そもそも子どもに対して重い責任があることを考えると、ボディビルになかなか集中することができなかったのです」

だが泰次郎氏のボディビルへの愛情は、消すことができなかったと見える。2013年にはワンランクアップの「東京クラス別」(70kg級)に参加して3位を獲得。翌2014年には同大会で2位になった。 

「こうなれば次は1位を目指すしかないですね」

38歳の泰次郎氏はつねに向上を目指している。彼は人間として歯科医として、そしてボディビルダーとして、最も円熟した時を迎えているのかもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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