日銀緩和、1ドル=113円がドルの上値メド みずほ銀行のエコノミスト唐鎌大輔氏に聞く

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GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオに占める国内債の比率を6割から4割に引き下げるという報道が出ているが、GPIFが株式投資を増やして、その分、売却する国債を、日銀が買えばよいのではないか、と期待する声が海外の投資家に多かった。

追加の財政出動あっても、消費はさらに冷え込む懸念

――日本経済にとってどのような影響があるか。

市場は「株価が上がってよかったね」という雰囲気になるのかもしれないが、実体経済にとっては、さらに円安が進むことはよい影響をもたらさない。

消費増税と円安による輸入物価の上昇で実質賃金はさらに押し下げられ、消費はさらに冷え込むだろう。すでに、経団連など財界からも生産の海外シフトが進んだ状況の中、「これ以上の円安は望ましくない」という声が出ており、産業界にとっても追加緩和は望ましくなかった。

追加の財政出動を行っても、需給の緩みがない中で、建設資材など一部が値上がりするだけで、実体経済の押し上げに寄与しない。ここから先、そうしたことが問題となってこよう。

――為替の見通しは?

今回の追加緩和によって、1ドル=110円を確かなものにした、というところだ。年内は1ドル=110円~113円と見ている。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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