鈴木保奈美「ママ・奥さんカテゴリーはやめよう」 疑問に思わなかった若い頃を経て今感じること

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──ここ数年で舞台をやりたいと思うようになったのはなぜですか。

鈴木:若い頃は、舞台を見に行っても、見方がわからないというか、どう見れば、どんなふうに楽しめるのかがよくわからなかったんです。けれど、40代、50代になって、仕事で共演する俳優さんから舞台のお話を伺ったり、その方が出ている作品を見に行ったりするうちに、やっと面白さがわかるようになってきて。自分もやってみたいな、と思うようになりました。

(写真:トヨダリョウ)

現代にも共通する「格差」というテーマ

──『セールスマンの死』は約70年前のアメリカが舞台ですが、ご自身は、現代に共通するテーマを感じてらっしゃるそうですね。

鈴木:あまり認めたくないことではありますが、やはり年を取っていくことのネガティブな意味や、格差というものが徹底して描かれていると思うんです。脚色前の台本を一読した感じでは、専業主婦として家族に尽くす(保奈美さんが演じる)リンダをはじめ、女性の描き方や、男性の描き方もわりとステレオタイプです。それは、好ましいか否かにかかわらず、現実としてはそうであり、残念なことに70年経ってもあまり変わってないというのは非常に感じました。

ですけど、それをイギリス人のショーン・ホームズさんという演出家がそのまま作品にしていくのか、何かそうじゃない視点を持ち込むのかはもう演出家次第だと思っています。2月の稽古までにはエディットされた台本が届くので、今はそれをとっても楽しみにしている状況です。

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