鈴木保奈美「ママ・奥さんカテゴリーはやめよう」 疑問に思わなかった若い頃を経て今感じること

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──当時は今以上に、女性が自分を確立させるのが難しかった時代ですよね。

鈴木:この作品もそうですが、とくに時代劇で戦国ものなどをやっていると、いくら調べても、女の人は本当にその人自身の記録が残ってないんですね。まず苗字がないし、誰々の娘として生まれ、誰のところに嫁に行き、子どもが将軍になったとか、そういう記録しかなくて。70年前どころか、たぶん、700年とか800年前から、相変わらず同じことをやってるんだなと思うんです。

そして今も、世界でも日本でも、女の人が「誰のママ」とか「誰の奥さん」というカテゴリーで呼ばれることはまだまだ多くて。私はそういうやり方は嫌だし、もういい加減にしようよって思うんですけれども。とはいえ、私自身も、若い頃はそれを疑問に思わず、そういうものだと思っていたし、男性も女性の側もそう思ってきている方がたくさんいるのは仕方のないことで。

だからこそ、こういうところで少しでも、「ウィリーの妻」とか「息子たちの母」じゃない、“リンダはリンダ”っていう描き方ができたらいいんじゃないかなと思います。小さな一歩ですけれど、このそうそうたる男性陣の中で私ができることって、もしかしたらそういうことかなと思います。

面白そうなものにはすぐ乗っかれる自分でありたい

──25年ぶりの舞台ですが、この仕事に期待することはなんでしょう。

鈴木:もちろん、何かとても大きなものをいただけると思うし、もしかしたら失うものもあるかもしれないし、それはやってみないとわかりません。さっきの理想の話もそうですけど、「このへん」って目標値を定めてそこに向かっていくとか、この仕事を終えたときにこんな自分になっていたいからやっていくということではないと思うので。

段田さんをはじめ、そうそうたる俳優さんたちが集まって、みんないったいどんなことをするんだろう!?って思うし、映像の現場と違って、何度もトライ&エラーができる期間があるのもとても楽しみです。こんなすごいキャストの方々と1カ月間お稽古をして、本番を経験したら、どう考えても予測がつかないことをしうるでしょうし、それは想像すらできないです。

(写真:トヨダリョウ)
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