ワクチン2回後感染で嗅覚消えた43歳彼女の辛酸 オミクロン株はインフル並みにきつく後遺症も

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家庭内感染が広がっている間、夫だけは自主隔離で別の部屋にこもり、感染を免れたようだった。

「実は、夫はオミクロンの前の『デルタ株』のときにコロナ感染しているんです。2021年7月の第1週目で、東京都のコロナ感染者が劇的に増える前でした。『夏風邪のような症状で下痢が続く』とは言ってたんです。2~3日後に発熱して、PCR検査をしたら陽性でした」

まだ病院の病床がコロナ患者で埋まる前だったので、夫はそのまま入院することになった。

「当時、病院はコロナ感染対策でお見舞いができない状況。だから私も夫の状態がよくわからなかったんです。夫は肺炎になったようですが、1週間ほどで退院。退院してからもよく『しんどい』とは言ってましたね」

夫からの優しい気遣いはなかった

コロナのデルタ株では呼吸が苦しくなるような症状が多かった。そのときと比べて、夫から見たオミクロンの症状は、よっぽど平気そうに映ったのだろう。

「私が今回、オミクロンに感染して具合が悪いときも、夫から優しい言葉は1つもありませんでした。自分のときと比べて軽症だからと『症状は軽いし、大丈夫でしょ?』『軽い軽い、そんなのコロナのうちに入らない』と。実際、家事も育児も全然協力してもらえなかったんです。前々から感じていたのですが、本当に残念な人だと再確認しました」

確かに同じコロナでも、デルタとオミクロンでは症状が大きく異なる。家族間でそれぞれが2種類のコロナに見舞われた場合、このような感覚のズレはありうることなのかもしれない。

「夫にお風呂洗いをお願いしたり、子どもの寝かしつけを頼んだりしても、忙しいからと協力してくれない。さらには『陽性になっても全然動けるじゃん』『コロナ移さないでよ』とも言われました。今は夫婦げんかというか、夫とは口をきいていない状態ですね」

また、自宅待機の状況下、子どもの兄弟げんかも多くなったという。

「本当にささいなことでいちいち兄弟げんかをするんです。足が当たったとか、テレビで見たいものが違ってチャンネルの取り合いとか。自宅待機でこもっていないといけないし、外に出られないストレスもたまっていたでしょうね。ただその光景を毎日毎日みているのはキツイと感じましたね」

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