今回のオミクロン感染では多くの感染者が自宅待機を命じられている。家にこもることで生まれるストレスは、家族間のけんかにつながることは容易に想像できる。
塔子さんに聞いた「オミクロン感染でツラかったこと」のなかには、「仕事関係の人たちに感染したと言いにくい」というものがあった。
「私は自営業で、1人で仕事をしているので、代えがきかないんですよね。オンライン会議をよくするのですが、『コロナにかかって具合が悪いです』『だからリスケしたいです』とはなかなか言えない。元気なふりをしなければならなかったのがツラかったですね」
それでも、一部の仕事関係の人には、思い切って「オミクロンに感染しました」と伝えたという。しかし、それも世間の「オミクロン=軽い」というイメージが、塔子さんのように症状が強めに出ている人に「具合が悪い」「ツラい」と言いづらい状況にしていた。
「世の中で『オミクロンは大丈夫!』と言われすぎているから、逆に感染したと(一部の人に)伝えても全然心配されないし、リスケも言い出せない状況でした。でも、オミクロンも症状がキツイ人はいるんだぞ、と声を大にして言いたい。『インフルエンザにかかりました』というと、体調を気遣う人もいるのでしょうが、そこと同等くらいはキツかったです」
感染を自覚していない感染者が街中を動き回っている?
反対に、塔子さんの息子さんのような軽症者は、今の季節だと「花粉症」と思ってしまう場合がある。そのように、街中には感染を自覚していない感染者が動き回っている可能性があり、そうした人たちを介してどこで感染が広がるかわからないのが現状だ。
「感染を自覚しない人はもちろんPCR検査をしないので、コロナ感染者数のデータにもカウントされてないですよね。ということは、普通の生活をして家庭内で感染が広がって陽性者にカウントされていない人たちも相当数いるのではないでしょうか」
確かに、実際の感染者数は、現在確認されているコロナ感染者数をかなり上回っている可能性もあるだろう。
ただ、そのオミクロンが自分の身近な人に移ったとして、例え軽症だったとしても、自宅待機のストレスのせいで、関係性が悪くなってしまうのも寂しい。とくに家族の誰かが感染したとき、家にこもるストレスに負けずに、体調不良や後遺症を支え合えるような心構えは大切だ。
また、完全に追えない面があることも承知だが、感染者と濃厚接触の可能性がある場合、放置することで、身近な人を感染させてしまうリスクが生じる。さらに「濃厚接触者」という判断は、意外に曖昧で難しい側面があるようだ。少しでも自分が心配な状況にいたのなら、一定期間だけでも自粛した生活を送っておくのが無難だろう。
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