北京五輪が閉幕!中国人が感謝する日本人3人 夏の東京五輪とは打って変わって賞賛が相次ぐ

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裏方である佐藤康弘コーチも中国人が感謝する日本人の1人だ。同コーチが指導したスノーボード男子の蘇翊鳴(スー・イーミン)選手(18歳)は、金銀2つのメダルを獲得した(編集部注:メダル獲得時は17歳)。開催国のメンツにかけて1つでも多くのメダルを獲得したかった中国当局は、佐藤コーチに足を向けて寝られないだろう。

1980年に初めて冬季五輪に参加した中国は雪上競技の実績に乏しく、平昌までの11大会でスキーとスノーボードを合わせて金メダルを1つしか獲得できていない。

北京での五輪開催が決まり、スポーツを統括する中国国家体育総局が頼ったのが、埼玉県でスノーボードスクールを運営し岩渕麗楽選手、大塚健選手、鬼塚雅選手ら五輪選手を指導してきた佐藤コーチだった。2018年に苟仲文局長自ら日本を訪れ、40数人の有望選手の育成を同コーチに依頼した。

父子のような関係を築く

そこで才能を見出された蘇選手は、短期間で頭角を現し、中国史上最年少で冬季五輪の金メダリストになった。蘇選手と佐藤コーチは滑走の前のハグがルーチンだ。2人が配信するYouTubeの動画からは父子、あるいは歳の離れた友人のような親しさが伝わり、「国のために一心不乱に努力する」中国の従来のアスリート像とは異なる存在にも見える。

佐藤コーチが2月10日に開設した微博(ウェイボー)のアカウントは1週間でフォロワーが4万人を超えた。「中日友好の懸け橋」「国宝を育ててくれて感謝」「中日で手を携え、欧米選手の壁を超えよう」と感謝のコメントが並んでいる。

中国人が感謝する最後の1人は言うまでもなく羽生結弦選手だ。ファンから「日本からの贈り物」との言葉が出るなど、その人気は神格化の域に達している。

北京首都国際空港では防護服に「YUZURU」とマジックで書いたボランティアが到着を待ちわび、大会組織委は羽生選手宛てのファンレター2万通を受け取った。広東省広州市ではバレンタインデーのイベントとして、520機のドローンが羽生選手やビンドゥンドゥンの姿を描いた。

男子シングルSPで不運にもリンクの穴にはまって3連覇が厳しくなっても、中国のファンの愛は揺らがず、フリーで4回転半ジャンプに挑む羽生選手を見守った。

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