イオンが鳴らしたドラッグストア再編の号砲 「4社統合で業界首位」の先に見据える野望
「小売り、デベロッパー、金融などに加えて、大きな新しいビジネスの柱を確立する」――。
主力のスーパー事業で苦戦しているイオンの岡田元也社長が、新たな収益柱として打ち立てたのがドラッグストア事業だ。
イオンは22日、グループのドラッグストア4社を2015年9月に統合すると発表した。業界6位のウエルシアホールディングスをイオンの子会社として、その傘下に同10位のCFSコーポレーション(ハックドラッグ)など3社を入れる。
売上高でドラッグストア首位に急浮上
イオンが224億円を上限にTOB(株式公開買い付け)を実施し、ウエルシアの株式保有比率を過半数に引き上げた後、ウエルシアがCFS、タキヤ(兵庫県尼崎市)、シミズ薬品(京都市)を子会社化する。
売上高の単純合計は5000億円を超え、マツモトキヨシホールディングス(売上高4953億円)を抜いて、一気に業界首位に浮上する。ただ市場関係者の反応は薄く、一様に「何も驚きがない」と話す。ウエルシアの件については4月に発表済みだったこともあるほか、「合併で成長できた会社はない。本業の立て直しが先だ」と厳しい声も聞かれた。
そもそもイオンにとって、ウエルシアは持ち分法適用会社でこれまでも提携関係にあったが、イオンがやれたことはATMの導入ぐらいで、何も相乗効果が出ていない。
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