上司への"付き合い残業"、続けるしかない? 世代間ですれ違う「働き方」思想

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上司「いや、でも、時間の制限があることは、周りも理解しているよ?」

部下「それはわかっているのです。でも自分が思うように働けなくて……。そもそも家庭とのバランスをとっていくのに漠然とした不安というか、焦りがあるのです」

これは重要かつ、ありがちな問題ですね。ライフイベントがあれば「働き方」は必ず変わります。たとえば、ライフイベント前なら資格勉強をしたり、気ままにプライベートの予定も躊躇なく入れられたり、自分の思うように時間が使えていたわけです。

「今はしゃがむ時」と考えよう

これが育児中となると、事態は急変します。保育園の送迎、食事の支度、子供の世話、家事、シッターさんなど応援者への依頼――自分の時間が削られ、そのもどかしさから、結果として仕事にも集中できなくなってしまう方も少なくないようです。

部下「どうすればいいのでしょうか?」

今は「しゃがむ時」だと自覚してみてはいかがでしょうか。割り切れなんて言うと驚かれるかもしれませんが、人生をロングタームでみれば、思いっきり仕事が100%のときもあれば、仕事50、プライベート50のときもあるかもしれない。大事なのは目先のことだけにとらわれず、「焦らない」ことなのです。育児が一段落すれば、また思いっきり働ける時期がやってきますよ。

部下「本当ですか?」

本当です。なぜならこれを書いている私も今、まさにそうですから。子育ても一段落して、日々、新しい環境にチャレンジしながら重責ある仕事もさせていただいています。だから育児で忙しさがピークの時期は焦らず、しかし何もしないのではなく、「今できること」を着実に、堅実に進めていくことで視界は開けてきます。そうすれば、しゃがんでいるときに確実に貯蓄した信頼残高が形となって花開いてくるのです。

上司「そうか。私もそのようにアドバイスしたいと思います」

それぞれにぞれぞれの生活があるからこそ、異なった悩みも出てきます。

男性上司の方は部下に伴走しながら、上司としてもどんなサポートができるのか、部下たちのライフスタイルを尊重しながら考えてあげてくださいね。

 

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍の場を広げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。
太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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