――では、関係修復が可能なケースとその方法について教えてください。
夫婦仲が悪くなっている原因が意思疎通の不全にある場合です。今は夫婦間であってもLINEなどオンラインでコミュニケーションをすることが増え、顔を合わせての会話が減っています。修復の余地が大いにあります。
女性からよく聞くのが、仕事場ではよく話しているはずの旦那さんが家庭ではほとんどしゃべらず、「何を考えているのかわからない」という相談です。この場合にまず考えるべきは、相手にとって「言いたいことを言わせてもらえない雰囲気になってしまっていないか」です。
例えば、旦那さんが家事や育児に関して「自分に何かできることはある?」と聞いたとします。そのときに「自分で考えれば」とか「見ればわかるでしょ」などと答えてしまったら、相手は余計なことは何も言うまい、と思うでしょう。
相手の気持ちを勝手に予想して結論づけない
――自分は機嫌よく心を開いているのに、相手がムスッとしていることもありますよね。友人知人なら距離を置けばいいのですが、家族は顔を合わせざるを得ないので嫌な気分になり、夫婦喧嘩に発展しかねません。どうすればいいのでしょうか。
相手の気持ちを勝手に予想して結論づけないことです。ムスッとしている理由をちゃんと聞けば、こちらのまったくの勘違いだったりすることもあります。
コツは、「自分はこういうふうに思われているようだけど、それで合ってる?」と答え合わせをする習慣をつけること。例えば、妻が夕食後の食器の片づけをプンプンしながらやっていたとします。自分の言動が原因かもしれないと思っても、「今日、何かあった? もしかして僕のことで怒ってる?」と穏やかに聞いてみることです。意外と自分のせいではなく、会社や実家で嫌なことがあったのかもしれません。
――なるほど。不機嫌な家族を目の前にすると自分が原因だと想像しがちですが、体調の悪さが原因だったりしますよね。夫婦のコミュニケーションを改善する方法が他にあれば教えてください。
生活習慣などで相手から何か言われたときに、すぐに反論しないこと。まずは「そうか。そういう考え方もあるね」と受けとめてください。ただし、賛同はしなくても構いません。相手の考えを肯定したうえで「僕はこう思うんだけど、どうかな?」と話せばいいのです。
独身生活が長かった晩婚さんは自分の生活の仕方がすでにできあがっています。お風呂上がりのタオルの使い方とかトイレットペーパーはシングルかダブルかなど、ちょっとした生活習慣でも変えにくいことが多いのです。相手との違いが明らかになったとき、「いい機会だから話し合おうよ。どちらのほうがいいのかな?」という姿勢がとれるといいですね。
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