職場から逃げた息子に父が「3年やれ」その深い理由 「3年我慢しろ」という意味なのかと思いきや…

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そんな話もあるので、「やりたいこと」を探しても本当にわからないなら、むしろもう賭けてみれば?って思う。なんならサイコロ振るぐらいのレベルでさ。で、目の前の仕事をやるじゃないですか。ここでポイントは、「もう無理だな」と思ったらさっさと辞めたほうがいい。何年間も居続けたりしないほうがいい。僕の経験で言うと、TBSに入社1年目の頃って本当につらくて、何回も脱走したり、仮病を使って逃げたり、いろいろしてたんです。

加藤:してたしてた。

角田:してたでしょ。その時に実家に帰ったら、親父が「いいから3年やってみろ」って言うわけだよ。

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加藤:「石の上にも三年」とも言いますし。

角田:たしかにそう言うけどさ、それって言われたほうはむかつくわけだ。「親父さあ、テレビ局のADがどんだけつらいと思ってんの? 今つらいんだよ! こんなの3年やったら死んじゃうよ!」みたいにさ。その時は親父と喧嘩にもなったよ。それから色々あって2年目になっても、まだ全然会社が嫌で、「本当にTBS辞めるから」って思ったことがあったんだけど、その時同時に「会社を辞めて違う業界に行くとして、そこでもこの2年をまたやるの?」って思ったわけ。

加藤:ゼロスタートになるからねぇ。

角田:でも3年目になったらペーペーじゃないわけだよ。「だったらこのつらいのをさっさと乗り越えて、3年目になっちゃったほうがいいや」って思ったわけです。つまり、その業界に入ってみて、諦めるもよし、進めるもよし……っていうところに辿りつくのに3年ぐらいかかるんだ。親父が「3年やれ」って言ってる意味がそこでやっとわかった。「3年我慢しろ」じゃなくて、我慢できるかできないかを3年かけて知ろうと。我慢できないなら辞めてもいいと。でもその代わり、またペーペーからやり直すリスクを取ることになる。そこからは自分の判断だよね。

という訳で、ペンネーム「桃栗3年」さんに僕が言いたかったのは、「3年頑張れ」ってことです。うまくまとまったね。

角田 陽一郎 バラエティプロデューサー/文化資源学研究者

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かくた よういちろう / Yoichiro Kakuta

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビ入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社goomoを設立。2016年にTBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出など多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院博士課程にて文化資源学を研究中。著書:小説『AP』『最速で身につく世界史/日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。

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加藤 昌治 作家/広告会社勤務

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かとう・まさはる / MASAHARU KATO

作家・広告会社勤務。千葉県立千葉高等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス)、『発想法の使い方』(日経文庫)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス)などがある。

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