FRBはゼロ成長下で利上げに着手することになる 経済のオーバーキル懸念が強まり後半は修正か
今後、アメリカ経済が失速することはある程度見えた未来でもある。上述のNY連銀ブログと同日28日に公表された2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率6.9%と非常に高かった。39年ぶりの高成長率だが、これはもはや過去の数字である。
足元の経済・金融情勢の悪化を踏まえ、市場参加者における2022年1~3月期予想は引き下げが進んでおり、アトランタ連銀のリアルタイムGDP予想「GDPNow」は先週28日時点の推計で前期比年率0.1%のほぼゼロ成長と試算している。こうした状況を踏まえて3月にテーパリングが完了し、利上げに着手されるわけで、オーバーキル懸念を企図してイールドカーブのフラットニングが進むのは至極当然といえる。
ちなみに高成長を実現した10~12月期も6.9%のうち4.9%ポイントが在庫投資の寄与であり、モノ不足に対応するための予備的な企業部門の行動を反映していそうである。真っ当に考えれば、2022年1~3月期以降、これが取り崩される公算は大きく、アトランタ連銀推計の示すゼロ成長推計に大きな違和感はない。もっとも、縮小均衡によるインフレ抑制を覚悟しているのならば、こうした景気減速もインフレ抑制のための予定調和の動きではある。
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