コロナ後遺症を引き起こす「4つの因子」の正体 初の科学研究で対処の方向性が見えてきた

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中でも影響が最も大きいと考えられるのが自己抗体で、コロナ後遺症の症例の3分の2に関係しているという。ほかの3つの因子はそれぞれ3分の1程度の症例で確認されており、一部の患者では複数の因子が同時に存在するなど、大幅な重複も見られた。

イェール大学で免疫学を研究する岩崎明子教授(今回の研究には非関与)は、「大規模かつ包括的な研究であり、コロナ後遺症を研究するコミュニティにとって優れた資料になる」と話す。

アメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所で神経系感染症部門を率いるアビンドラ・ナス氏(同じく非関与)は、よくできた研究だとしながらも、いくつかの欠点を指摘する。その1つは、患者を2~3か月しか追跡していない、という点だ。「時間とともに自発的に回復する患者もいるので、調査期間としては短すぎるかもしれない」。

カギを握るのは初期のウイルス量か

一方、岩崎氏が目を留めるのは、主要な患者グループの71%が入院していた、という点だ。入院患者が調査対象に多く含まれるため、初期症状が軽かった患者にも生物学的因子が等しく関連しているとする根拠は弱まるという。

複数の専門家が説得力のある結論とみているのは、「初期のウイルス量が多かった患者に後遺症が多く見られるため、診断直後に抗ウイルス薬を投与すれば後遺症を防げる可能性がある」というものだ。

「ウイルスを早く消滅させられれば、後遺症の原因と考えられる持続感染や自己免疫疾患も抑えられる」と岩崎氏は言う。

(執筆:Pam Belluck記者)
(C)2022 The New York Times Company

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