近づくな、入るな!"就活塾"の危なすぎる実態 「就活ビジネス」があなたを狙っている

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しかし、中には「最初の2カ月間はビジネスマナーなど就活に役立ちそうな講座を聞くことができたが、その後は募金活動や体操など就活に関係のないことをやらされるようになった。その頃からスクールに不信感を抱くようになった」というケースもあります。精神力を鍛えるためとランニングさせられたり、協調性を身に付けるためと大縄飛びをさせられたりすることもあります。

就活の相談は大学のキャリアセンターへ行こう

ひどい例としては、入会後に50万円以上もする英会話教材を購入させられた学生もいます。英語ができなくては内定を取れないなどと言われ、断り切れずに購入したのです。また、友人を紹介しろと言われて同級生を入会させたところ、友人との関係が悪化してしまったというケースもあります。

Q5:就活ビジネスでトラブルに巻き込まれてしまったら、どうすればいいですか。

クーリングオフや契約の取り消しができる場合があるので、泣き寝入りせずに全国各地にある消費者センターなどに相談しましょう。消費生活センターの連絡先はWEB上で調べることができますが、もし連絡先がわからない場合は「消費者ホットライン」0570-064-370へ電話すれば、相談に乗ってもらえます。

また、国民生活センターでは、「業者は学生に対して家族に相談しないように口止めしているケースが多いので注意すること」と、呼びかけています。一部の就活塾は学生と親を分断しようとしています。困ったときに親に相談するのは悪いことではありません。親に相談せずに、自分だけで悩みを抱えているだけでは何も解決しません。

トラブルを回避するには、合同企業説明会の会場や大学周辺での就活アンケートには答えないことです。もし、アンケートに答えるとしても、自分の携帯番号やメールアドレスなど個人情報は教えてはなりません。個人情報を教えてしまえば、業者から必ず連絡があります。 連絡があっても絶対に行ってはいけません。無料セミナー、体験講座とうたっていても、実際は強引なセールスの場にすぎないのです。

就活ビジネス関連のトラブルを抱えてしまっては、就活に集中できなくなるので十分に注意してください。就職に関する相談は大学のキャリアセンターへ行くのが基本中の基本です。最近の大学は就職支援講座を充実させています。就活塾に行くのではなくて、大学のキャリアセンターのセミナーへ出席しましょう。

就活に関する悩み、質問は、こちらにお寄せください。

(撮影:今井康一)

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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