【産業天気図・住宅・マンション】目先の販売好調もかつての水準には遠く「曇り」止まり、大手収益も巡航速度は来期に
こうした供給がコンスタントに続けば大手デベロッパーの業績も底入れから本格回復すると思われる。が、現状ではそこまで明確には言えない。理由としては国土交通省が発表している新設住宅着工戸数を見ると、1月~6月は累計で、4万1194戸と前年同期の4万8501戸をさらに下回っているためだ。着工が少なければ、当然供給も減少する。この着工減少が続くようなら回復にも黄色信号が灯る。
大手各デベロッパーの今期業績はいずれも底打ちから回復の見込みだ。三井不動産は都心の好立地物件が堅調な売れ行きだが、部門収益では前期は投資用不動産が足を引っ張ったが、今期は逆にマンション部門の収益が低下する。減損を掛けた過去の物件が売りに出されるためで、本格回復は12年3月期になりそう。
一方、三菱地所は前期に評価損の計上で2期連続の部門赤字になった。11年1月から連結対象の藤和不動産との統合で三菱地所レジデンスをスタートさせるが、収益面でも黒字浮上を見込まれる。また、東急不動産も前期は評価損から部門赤字になったが、今期は二子玉川ライズ(1033戸)の計上で黒字化する。住友不動産、野村不動産も収益面では底入れ。評価損の処置がひと足早かった大京が連続増益となる見込みだ。
(日暮 良一=東洋経済オンライン)
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