日本人特有「ぼっち遺伝子」に負けない3つの方法 「幸せな孤独」を実現している人に共通すること

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日本では、独りで暮らす人たちが確実に増えてきています。それは生涯未婚率や単身世帯数の推移を見てもよくわかります。独り暮らしが孤独感をつくる大きな要因であることは間違いありません。

日本の生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚していない人の割合)が高くなり始めたのは、1990年代以降のことです。

2017年の『少子化社会対策白書』によると、1980年 男性2.6% 女性が4.45%、2017年 男性23.37% 女性が14.6%。

さらに、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2030年 男性29.5% 女性22.5%。つまり、男性は3人に1人、女性は4人に1人が生涯独身の時代を迎えるというわけです。

単身世帯数に関しては、1980年の総世帯数に占める割合は19.8%でしたが、 2010年は32.4%、2035年には37.2%が独り暮らしになると推計されています。

人生の選択肢として結婚を選ばない人たちが増えてきているのは事実です。経済的な問題もありますが、少子化でわかるように子どもを産むことに消極的な風潮もあります。何のために結婚するのか。それを男性も女性も自問自答するのが今の時代なのかもしれません。

世界には、すでに日本を超える単身世帯数の国もあります。ノルウェー、デンマーク、ドイツなどは、単身世帯数が4割近くに達しています。それでも、孤独が社会問題化しないのは、友人や職場の同僚、あるいは隣人などと過ごす時間が非常に多い国だからです。

その点、日本は不安を抱かざるをえません。OECD(経済協力開発機構)が2005年に調査した結果を見ると、日本人では、友人や同僚など他人とほとんど付き合わない人の割合は15.3%でした。平均の6.7%と比べて倍以上の数字です。ドイツ3.5%、アメリカ3.1%、オランダ2.0%と比べると、日本人の人付き合いの少なさがよくわかります。

「孤独」なのに幸せな人は確かにいる

日本人の「孤独」を取り巻く状況を冷静に見ると、悪い未来しか見えないように思うかもしれません。

しかし、私の研究室で行った幸福学の最新研究では、孤独=不幸と、単純に決められないことがわかってきました。例えば、私の知人には、長年独り身なのに幸せそうに生きている人がいます。

Aさんは、大学の研究所で勤める50代の女性です。彼女を見ていると、「孤独」という言葉からネガティブなイメージはまったく浮かんできません。

専門職としてキャリアを積み上げてきた彼女ですが、今のところパートナーはおらず、本人によると友人も少ないそうです。それでも、彼女が幸せそうに見えるのは、仕事が充実しているからだけではなく、誰に束縛されることなく思うままに生きているからです。

彼女は、行ってみたい、見てみたい、食べてみたい場所があると、国内であれ、海外であれ、すぐに出かけていきます。目的が一致するときは数人で行動することもあるようですが、独りだからという理由で出かけないことはありません。誰かと一緒に行動するのは、彼女にとってオプションの1つにすぎません。

彼女は人生のどこかの段階で「独りで生きる」ことを肯定的にとらえたのだと思います。言ってみれば、積極的に孤独であることを選んだということです。

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