夫婦で「性格が一致」しても幸せとは限らない訳 その一方で似たような人との結婚を望む声も
あなたの結婚相手に求める条件を考えてみてください。もうすでに結婚されている人は、〝今のあなた〞だからこそ思う「結婚する前の自分に教えてあげたい」結婚相手の条件を考えてください(もちろん今の相手が最高のパートナーであることは重々わかっていますが……)。
こうして結婚相手に求める条件を聞くと、多くの人が「性格の一致」を挙げます。 あるいは「優しい人」など、「自分にとって好ましい性格」に関する答えも多く聞かれます。
では、実際に夫婦間の性格はどこまで一致しているのでしょうか? オーストラリアで3618組、アメリカで4815組の夫婦を対象に、夫婦間でどれだけ性格が似通っているかを調査したデータがあります。
いずれの調査でも、「性格が似ていること」を結婚相手の条件に挙げるけれども、実際の結婚相手とは性格が似通っていることはほとんどない、ということがわかっています。
「えっ、そうなの⁇でも、比較的性格が似通っている夫婦のほうが幸福度が高いんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。これもまた調査結果があります。ドイツの心理学者であるハンス・アイゼンクらが566組の夫婦を対象に調査したものですが、この調査でも「性格が似ているから幸福度が高い」という結果には至りませんでした。
性格が一致しようがしまいが幸福度には関係ない
要するに、性格が一致しようが、まったく似ていなかろうが、夫婦関係、パートナーシップから得られる幸福度には影響がないということです。
性格の一致は関係ない。……これ、ちょっと驚きですよね。幸福度に性格の一致は影響しないのにそれを求めるのは、怖いことかも。ここにもまた、正しいと信じていたことが実はそうではなかったという事実があります。
にもかかわらず、裁判所の司法統計によると、日本の離婚原因の第1位は、ダントツで「性格の不一致」。本当のところ、それは「幸福度に関係ないのに」です。
実は「性格」よりも重要な「一致しないと離婚の原因になる事柄」があるのです。「性格の不一致」に隠れた、本当の離婚原因とも言うべき「一致していない事柄」 ……それは「価値観」です。 「価値観の一致」こそ、パートナーシップの幸福度にもっとも大切なことなのです。