東大生がズバリ指摘「勉強して伸びない子」の盲点 そもそも最初にやるべきことがわかってない

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これは何も科目の話だけではありません。悩みだって同じです。たいていの悩みは、分解できれば解決できます。

例えば漠然と「今度のプレゼンが不安だなあ」と考えたとして、その不安を分解して考えられていないうちは不安なままです。「パワポについて不安」なのか「ちゃんとしゃべれるかどうか不安」なのか「反応がどうなるか不安」なのかを分解できれば、対策を打つことができます。

(画像:筆者提供)

悩みは分解されていないから不安なのであって、分解できれば解決の糸口が見えるのです。

「ええ、でも分解できないよ」「どれができていてどれができていないかなんてわからない!」という人も中にはいるかもしれませんが、先ほどの漫画を思い出してください。桜木先生は、「己を知れ」といってセンター試験を受けさせていました。

自分ができているところ、できていないところを知るためには、データを集めるしか方法はありません。積極的に自分を知ろうと努力する、客観的な指標に頼る以外に、方法はないのです。

東大生は模試の活用がうまい

その1つがテストです。やはり東大生は模試の活用が上手です。模試を見て、自分はどういうポイントができていないのかをしっかり考え、それを次の勉強に生かす。こうして、どんどん自分の勉強を分解できるから、それに合わせて戦略を立て、合格をもぎ取ることができているんです。

『東大式 目標達成思考 「努力がすべて」という思い込みを捨て、「目標必達」をかなえる手帳術 』(日本能率協会マネジメントセンター)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

もし客観的な指標が持ちにくい分野で戦略を立てようとしているなら、そのときは人に自分のことを評価してもらったほうがいいと思います。先生でも友達でも親でも誰でもいいので、自分以外の人に対してしっかり自分のことを評価してもらう。そうすることによって、自分の真の実力が見えてくるというわけです。

ただし、僕もそうでしたが、自分と同じように東大を志望している人が少ない環境にいる場合、自分と誰かを比較することが難しいんですよね。

例えば、東大合格者を輩出する都会の中高一貫の進学校のように、同じような実力を持った人が集まり、難関大学を目指して切磋琢磨するような学校では、東大に行く人が身近にいて、情報も多く、試験などの過程を通じて「ああ、自分はほかの子より英語のこの部分が苦手かもしれない」とわかるわけですが、地方だと、そういう環境がなかなかありません。

もっとも、今はSNSなどを通じて自分と同じような目標を持っている人とつながることができるようになっています。SNSでは自分の模試の結果を写真で撮ってアップして、他の人に積極的に比較してもらうようなことをしている学生も多いです。フェイスブックなどのグループで自分と同じ目的を持った人とつながることも容易になっています。

現状分析がしにくいという地方と都会の格差の問題も、こうしたことをきっかけに解決の方向に向かえばいいなと思っています。みなさんも現状分析にSNSを活用してみるのもいいかもしれませんね。

いかがでしょうか。自分の現状を分析し、戦略を組み立てることの意義が伝わったならうれしいです。ぜひ実践してみてもらえればと思います。

前回記事:東大生直伝「成績上がる子」見抜くただ1つの質問

相生 昌悟 現役東大生

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あいおい しょうご / Shogo Aioi

2000年生まれ。地方公立高校出身の現役東大生。高校入学当初から勉学に励み続けるも、思うような結果に結びつかず、努力の仕方を考え始める。最終的に、努力を必ず目標達成に導く「目標達成思考」を確立し、高校3年時に東大模試で全国1位を獲得。その後、東京大学に現役合格。現在は自身の経験を全国の教師や学生に伝えるべく、「リアルドラゴン桜プロジェクト」で高校生にコーチングを行っている。

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