スカイツリーラインの本当のターミナルは、浅草駅である。浅草寺の参道である仲見世の東側、隅田川のほとりに建つ立派な駅ビルだ。そこから出発した電車は急カーブで隅田川を渡って、スカイツリーのふもとを走る。曳舟駅からは押上方面からやってきた半蔵門線直通列車と合流し、荒川と隅田川に隔てられた“中州”のような住宅密集地をうねうねと曲がりながら北千住を目指す。
この浅草―北千住間、特急が停まるとうきょうスカイツリー駅や、半蔵門線直通列車との待ち合わせもある曳舟駅はともかく、それ以外の駅の存在感はスカイツリーライン全線の中でもとくに印象が薄いのではないか。越谷、春日部などへと走ってゆく首都圏の大通勤路線・スカイツリーラインにして、もっとも都心に近い浅草―北千住間の各駅停車の駅……。そこには、いったい何があるのだろうか。
「この区間でいちばん変わったのはとうきょうスカイツリー駅でしょうね。浅草とともに、観光のお客さまが多い。コロナ禍でインバウンド(外国人観光客)はいなくなってしまいましたが……」
風景も駅名も大きく変わった
こう話してくれたのは、とうきょうスカイツリー駅長で浅草駅管区の副管区長を務める湯澤真さん。若かりし頃、この下町各駅停車区間で乗務していた経験もある。
「スカイツリーがなかった頃、業平橋駅だった時代と比べればとにかく大きく変わりました。昔は操車場もあって、半蔵門線直通がない頃は浅草駅には10両編成の電車が入れないので業平橋駅で折り返す電車もあったんです」(湯澤さん)
東武スカイツリーライン(浅草―北千住間)
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左から湯澤とうきょうスカイツリー駅長、飯塚浅草駅長、
岩波曳舟駅長(撮影:鼠入昌史)
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浅草駅からは北千住行きの各駅停車が出ている
(撮影:鼠入昌史)
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浅草駅ビルの正面に立つ3駅長
(撮影:鼠入昌史)
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かつて貨物駅の役割を担ったとうきょうスカイツリー駅は
大きく変貌した(撮影:鼠入昌史)
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利用客がホームからスカイツリーを見上げると危険なので
屋根が取り付けられた(撮影:鼠入昌史)
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とうきょうスカイツリー駅から浅草駅への上りのみ
特急券がなくても特急に乗車できる(撮影:鼠入昌史)
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曳舟駅は押上方面の地下鉄直通列車のほか、
亀戸線の電車も発着する要衝だ(撮影:鼠入昌史)
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東向島駅は高架下に出入り口。「旧玉ノ井」
というかつての駅名も(撮影:鼠入昌史)
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東向島駅高架下には東武博物館。東武の古い電車が
待っている(撮影:鼠入昌史)
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口の大きな古い駅舎が印象的な鐘ケ淵駅。カネボウの名前は
鐘ヶ淵から(撮影:鼠入昌史)
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鐘ケ淵駅脇には大きな踏切がある
(撮影:鼠入昌史)
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鐘ケ淵駅近くには昔ながらの商店街も残る
(撮影:鼠入昌史)
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大きなカーブ上にある堀切駅。ホームもカーブして
いるのがわかる(撮影:鼠入昌史)
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上り線・下り線それぞれのホームに駅舎が
設けられている(撮影:鼠入昌史)
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堀切駅の脇から見る荒川。金八先生でおなじみの“土手”だ
(撮影:鼠入昌史)
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隅田川と荒川を結ぶ小水路。ここが墨田区と足立区の境だ
(撮影:鼠入昌史)
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マクドナルドが食い込むように牛田駅の脇にあり、
後ろに大きなマンションが建つ(撮影:鼠入昌史)
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牛田駅に背を向ければ京成関屋駅。乗り換えには
3分とかからない(撮影:鼠入昌史)
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牛田駅前。この細い道を挟んで左に牛田駅、
右に京成関屋駅(撮影:鼠入昌史)
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