今年の日本株は後半大きく巻き返すかもしれない 前半は日経平均もNYダウも冴えない展開に?

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年央の株価メドとしては、日経平均株価が2万5000円、ニューヨーク(NY)ダウ工業株30種平均が3万ドル程度だと想定している。ただし、これは何らかの投資尺度などで算出したものではない。極めて大まかなメドにすぎず、おそらく実際の今年の安値はこれよりもかなりズレるだろう。

それでも上記の安値近辺までの下落となれば、日経平均は2021年の最高値(終値ベース)の3万0670円(9月)から約18%下、NYダウも同様に3万6488ドル(12月)からやはり約18%下にすぎず、それほど大した下落とは言いがたい。

年央以降の反転上昇のきっかけは何か

では、2022年央から年末にかけて、主要国の株価の反転上昇を予想している理由は何であろうか。これは、年前半の株価の下押しが十分に進めば、その後は長期的に見た世界経済の拡大基調に沿った、株価上昇の長い流れに復する、と考えていることが大きい。

アメリカなどにおいて、これまでの金融緩和の環境で生き残ってきた脆弱な企業や投資家が年前半に淘汰されれば、波乱を生き延びた企業や投資家は強靭なものであり、それらが景気や市場を支えそうだ。

また、アメリカの株価下落が個人や企業の心理を悪化させ、起債などの困難化から企業の資金繰り破綻のリスクを高め、実体経済が著しく悪化するといった可能性が高まれば、連銀がテーパリングや利上げの過程にあればその停止、あるいは再緩和に踏み出す展開もありうる。

「アメリカの株価が下落する『前に』連銀がテーパリングを中止するなどで株価がまったく下げずに済む、ということはあるのか」というご質問もよくいただく。

だが、もしそうした「株価の救済役」を連銀が買って出れば、株式市場が連銀への依存心を高めすぎてしまい好ましくない、と連銀は考えるだろう。逆に、アメリカの株価が下落し、同国の経済などに対する悪影響が懸念され始めた「あとで」、連銀が対応策を繰り出し、それをきっかけに株価が反転上昇に向かう、ということはありうると考えている。

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