Xperia Z3の質感、実はiPhone6を凌駕 ベルリンからプラハへ、製品レビューの旅<1>

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しかし、端末の使用感やハードウェアとしての完成度に関しては、(もちろんZ1からZ2でも改善はしていたが)Z2からZ3の間の進歩がもっと大きい。「Z1からZ2へ変わった際にはハイレゾ音楽を本体内で再生できるようになったじゃないか!」と、詳しい人は言うかも知れないけれど、Z3を手にした時、最初に感じたのは、その触感のよさである。

金属素材と樹脂素材を一体成形し、薄くとも強靱なボディを実現し、前背面をガラスで覆うことで質感・触感を高める手法はZ2と同じだが、各部パーツが滑らかなにつながる一体感ある形状を実現している。

数字で見ると、幅で1ミリ、厚みで0.9ミリ小さくなり、11グラム軽くなっただけとのことだが、手のひらに吸い付くようにフィットする感覚がグッと増している。1年前のZ1に比べるとなおさらだ。

薄くなることで心配な剛性は、Z2と同様に金属フレームよりも樹脂フレームで応力を受け止める感覚があり、本体自身に適度な”しなり”や”ねばり”を感じる作り。iPhone 6シリーズのアルミのバスタブ構造を”剛”の作りとするなら、Xperia Z3は”柔と剛”を使い分けて薄さに対応している。

大画面でも片手で使いやすくする工夫

11月下旬にドコモが発売する予定の「Xperia Z3f」(ソニーのホームページより)

この設計手法を突き詰めて端子蓋や異素材の接合部隙間を小さくすることで、より洗練された印象をもたらしている。個人的にはZ3 Compact(日本ではNTTドコモからXperia Z3fとして発売される)の方がサイズ面では好みだが、そんな筆者でも5.2インチを使ってみようと思わせるだけの高い完成度だ。

ちなみに、せっかくアルミで多う側面、コーナー部分に異素材(何らかの樹脂)を使っている点が疑問だったが、これは金属素材よりも傷が付きにくい固い樹脂とのこと。長期間使用後でも少ない傷でフレッシュな概観をキープできるよう、あえてコーナー部分だけに配置されている。

また5インチ以上のスマートフォンは、片手で利用する際の安定が悪いことも気になるところ。Zシリーズはストラップホルダーをすべて装備しており、それはZ3も例外ではない。手持ちのスマートフォンにつけていたリング型ストラップを取り付けておいた。これで借り物のZ3を石畳にたたきつけてしまう心配もない。

Xperia Z3には、もちろんカメラや音楽プレーヤーとしての魅力もあるし、スペック上ではそちらが訴求されるだろう。しかし、スマートフォンは毎日持ち歩き、もっともよく手にする電機製品だ。手への馴染み、ハンドリング性をぜひ確認してみることを進める。

バッテリー容量も申し分ない。ベルリンからプラハまで、約350キロの道程は、アウトバーンのおかげで3時間半ほどで到着できたが、ベルリン市街での撮影や道程でのカーナビ、動画カメラ、電話として活躍したXperia Z3のバッテリ残量は、夕食時にも64%までしか減っていなかった。

GOLF7 GTI Performanceも、高速走行のなかで、良好な燃費を示してくれていた。”さらに使い込んだ”Xperia Z3のレビュー、そしてクルマのレポートは、次回以降、さらに掘り下げて行きたい。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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