相次ぐ海外自動車メーカーの中国事業拡大、次の焦点は新たな自動車産業政策の中身(その1)

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ここにきて日系自動車メーカーの中国事業拡大に向けた動きが活発化している。トヨタ自動車はホンダとの合弁相手である広州汽車と乗用車生産の合弁事業立ち上げに動き、そのホンダは日産自動車との合弁相手である東風汽車と乗用車生産の合弁立ち上げの提携交渉を進めるなど、現地メーカーと日系メーカーの提携関係が錯綜している。
 基本的に中国政府は海外自動車メーカーが市場参入する場合、単独の事業を認めておらず、必ず現地メーカーとの共同で事業を行うことを義務づけている(例、折半出資による合弁会社の設立など)。また、海外メーカーが現地メーカーと提携できるのは2社までという決まりもある。逆に、中国の現地メーカーに対しては海外メーカーと提携できる社数に制限はない。それが外資と現地メーカーの入り組んだ提携関係を生んでいる。
 改めて現地メーカーと海外自動車メーカーの関係を整理してみると、現地メーカーには第一汽車、東風汽車、上海汽車という“中国版ビッグスリー”の自動車メーカーが存在する。そのうち第一汽車と提携関係を結んでいるのがトヨタ自動車。包括提携契約を昨年8月に交わし、今年の「ランドクルーザー」を皮切りに「カローラ」、「クラウン」などの共同生産を始める(投資金額は約200億円)。2010年までには市場シェア10%、台数で30万~40万台の販売を目指すのが当面の目標であり、中国の本格進出は始まったばかりといえる。ちなみにトヨタは第一汽車の子会社である天津一汽と合弁を設立し、昨年10月から「ヴィオス」の現地生産を始めている。
 東風汽車との合弁事業に1200億円を投じて新会社を設立し中国へ打って出るのが日産自動車。数年前まで経営危機に瀕していたことがら、海外戦略には出遅れ感が否めなかったが、東風汽車との提携で中国進出に本腰を入れる。新会社は今年7月から発足し、新型セダンの「サニー(中国名は陽光)」を始め、来年には中国仕様の「ティアナ」他、2006年までに日産ブランドの乗用車を合計6車種生産する。合弁新会社はバスやトラック、小型商用車、乗用車などフルラインの自動車メーカーで、2006年までに累計で55万台(乗用車22万台、商用車33万台)の販売を計画している。ただ、この計画は昨年9月の提携発表時に公表されたもの。その後、中国自動車市場は業界の予想を上回るスピードで拡大しており、詳細なビジネスプランが発表される今年の11月にはさらに販売計画が上方修正される可能性が高い。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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