日経平均1カ月ぶり安値、終値1万5661円 海外勢の売り仕掛けで420円の大幅下落
[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続落。一時435円安となり、約1カ月ぶりの安値を付けた。前日の米国株の急落や円安一服を背景に朝方から売りが広がり全面安の展開。海外短期筋による先物市場への仕掛け売りが裁定解消売りを誘い、安値を切り下げる局面が続いた。
欧州中央銀行(ECB)理事会や米雇用統計など重要イベントを前に買いを手控える投資家が多かった。
東証1部騰落数は、値下がりが1778銘柄と全体の97%が下落。値上がりは40銘柄、変わらずが12銘柄だった。
9月のユーロ圏製造業PMI改定値の下方修正や米国で初めてエボラ出血熱感染が確認されたことなどを背景に、前日の米ダウ<.DJI>は238ドル安と急落。外為市場でも1ドル108円台後半へとドル安/円高に振れたことから、東京市場では朝方から軟調に推移した。9月中旬にかけて日経平均の上昇ピッチが速かっただけに、外部環境の悪化をきっかけに一気に利益確定売りが広がったという。
国内企業業績に対する根強い上振れ期待から下値では押し目買いが入りやすいとの見方が多かったが、後場に入っても相場は下げ止まらなかった。「香港が休場で市場参加者が少ないなか、ヘッジファンドなど海外短期筋が先物市場に売り仕掛けしており、想定以上に指数を押し下げた」(外資系証券トレーダー)という。新興株の連日安もあって、個人投資家による信用取引の追い証発生も懸念され、連鎖的な下げとなった。
日経平均構成銘柄では、クレディセゾン<8253.T>を除く224銘柄が値下がりした。スズキ<7269.T>が前日比で5%を超える下げとなったほか、ホンダ<7267.T>、パナソニック<6752.T>など主力輸出株が軟調。三井不<8801.T>など不動産株や、クボタ<6326.T>など機械株の下げも目立った。
日経平均は目先の下値めどとみられていた25日移動平均線(1万5885円32銭=2日)を下回り、調整局面に入ったとの見方が多い。ソシエテジェネラル証券ディレクターの小原章弘氏は「上昇ピッチが速かっただけに、下げるのもあっという間。今晩の米国株が反発すれば切り返す公算も大きいが、いったん75日移動平均線(1万5519円61銭=同)程度まで値を下げる可能性がある」とみている。
個別銘柄では、カッパ・クリエイトホールディングス<7421.T>が年初来高値を更新。コロワイド<7616.T>がTOB(株式公開買い付け)や第三者割当増資の引き受けにより子会社化すると報じられ、材料視された。会社側は決定した事実はないとしている。
日経平均<.N225>
終値 15661.99 -420.26
寄り付き 15895.20
安値/高値 15646.40─15922.51
TOPIX<.TOPX>
終値 1280.15 -38.06
寄り付き 1302.47
安値/高値 1278.73─1303.02
東証出来高(万株) 266102
東証売買代金(億円)25939.74
(杉山容俊)
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