――確かに。ちなみに、何のために貯金をするのですか?
カイパースさん:子どものために蓄えておくのです。子どもが自分よりいい生活ができるようにと貯めています。
――世界一子どもが幸せな国と言われていますよね。
カイパースさん:学校はとても自由です。安全ですし、スポーツもできて子どもにとってはとてもよい環境だと思います。貯金の使い道として、教育以外にはローンを組みたくないので、洗濯機や車などを購入するためや、2~3週間の旅行のために使います。
――休みは長いですか?
カイパースさん:休暇は4週間は取ります。7月半ばから8月が多いですね。でも、オランダはほかの国とは違って、全員で一斉に休みは取らないのです。学校も地域によって休みの時期が異なるのですよ。ここでもやはり話し合いをして、休みを順番に取ります。
ですから、仕事が止まってしまうということはないのです。また、年間のトータルで4週間取ればいいので、夏に1週間取って、冬に3週間取る人もいます。チームとしてバランスをとって休みに入るのです。一斉に休みに入る国もありますので、そこは柔軟ですね。
1週間36時間働けばいいので、半日だけ出勤もフツウ
――働く形態も柔軟だと聞きますが、どうですか?
カイパースさん:オランダでは、1週間で36時間働けばいいのです。それを週の中でどう割り振るかはそれぞれです。ある1日だけ就業時間を長くして、月曜や金曜を週末とくっつけて休みにしたり、子どもの学校が水曜は半日ですので、水曜を子どもと過ごすために休んだり、午前中のみ出勤する人もいます。火曜と木曜は休む人は少ないですね。ミーティングなどのアポイントは火曜か木曜がいいかもしれません。
――女性のパートタイムも多いそうですね。
カイパースさん:正社員とパートタイムの待遇があまり変わらないのです。社会保険なども入っていますから、週2~4日間働くパートタイムの人が多いです。そのため、多くの女性が働いているのに、オランダは女性のCEOは意外と少ないのです。家庭は大切にしながら、自分の生活は自分でしたいと考え、権利を持ちながら働けるパートタイムで働くのです。正直、中小企業だと大変ですけどね……。
――保育園が多くないというのは本当ですか?
カイパースさん:保育園の数は増えてきていますが、問題は保育料がとても高いことです。税金が高いので、フルタイム働いて子どもを2人預けたら月に20万円ぐらいかかります。それでは稼いだ分がすべて保育料に流れてしまうのです。そういう理由で、子どもを持つことを計画的にしている人もいます。
――とても計画的ですね。
カイパースさん:それも行きすぎなときもあります。ヨーロッパの国でもオランダはとても時間に正確です。ミーティングが45分で設定されていると、45分で終わるように進めます。ですから、オランダ人が時間どおりに来ないときには遅れているより忘れていることがあるので、電話をして確認をしたほうがいいかもしれませんね。
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