鉄道のDNAが生きるバス「ひたちBRT」 東京も導入?渋滞無縁の「未来の街バス」とは

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専用道が終わる南部図書館は、かつての日立電鉄久慈側駅跡だ。船をイメージした建物の脇には久慈浜駅の駅名標とレールなどが保存されている。

旧久慈側駅跡を整備した南部図書館。右側の掲示板は日立電鉄の旧塗装をイメージしている

BRTは一般道に入り、まもなく終着・おさかなセンターに到着。9月21日に「道の駅」としてリニューアルしたばかりの観光魚市場だ。規模は小さいが、寿司屋や食堂もあり、将来的にはBRTを利用しての観光客誘致も期待されている。

上り大甕行きBRTに乗ると、日立商業下バス停で大勢の高校生が乗り込み満員となった。

併設の歩道を歩いて大甕駅に向かう生徒もいる。日立商業高校から大甕駅までは2キロメートル弱あり、歩くにはやや遠く、自転車を使うには微妙に近い。ひたちBRTの通学定期は月額1000円とリーズナブルで、その日の気分や登下校の時間に合わせて気軽に利用しているようだ。徒歩の生徒も、専用道併設の歩道なら交通事故の危険性が低く安心だろう。

ひたちBRTはまだ開業したばかりでその真価を発揮するのはこれからだ。交差点の通過や日立駅への延伸ルート策定といった課題はあるが、鉄道のDNAが生み出した新しい公共交通として発展することを願いたい。

栗原 景 ジャーナリスト

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くりはら・かげり / Kageri Kurihara

1971年東京生まれ。出版社勤務を経て2001年独立。旅と鉄道、韓国をテーマに取材・執筆。著書に『新幹線の車窓から~東海道新幹線編』(メディアファクトリー)、『国鉄時代の貨物列車を知ろう』(実業之日本社)等。

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