鉄道のDNAが生きるバス「ひたちBRT」

東京も導入?渋滞無縁の「未来の街バス」とは

こうした取り組みが幸いし、開業以来1年間の輸送実績は順調だ。BRTと運行区間が競合するため統廃合が行われた既存バス路線の利用者が1日百数十人だったのに対し、BRTの初年度の平日平均利用者数は約480人。採算ラインとされる470人を上回った。

BRTの特性を活かすには、法整備が必要

もっとも、停留所を増やした結果、停車時間が増え、定時運行率は若干低下している。第Ⅱ期以降の区間では、やみくもに停留を増やすのではなく、利便性と定時性のバランスが重要になるだろう。

実際に、平日夕方のひたちBRTに乗車してみた。車内はお年寄りや部活に向かう高校生が多い。バスは、日野自動車製の大型ハイブリッドバスだ。

中型ディーゼルバスと計2台が開業と同時に導入され、朝夕の時間帯には専用道区間で行き違う。専用道路が始まるのは、2つ目の停留所、臨海工場西からだ。歩道が併設され、犬の散歩やジョギングを楽しむ人の姿も見える。

一般道路との交差部には遮断機が設置されており、バスが近づくと道路信号が変わり遮断機が上がる。

一般道との交差部には専用道側に遮断機が設けられており、徐行または一時停止して通過することになる

海外のBRTでは、バスは鉄道の踏切と動揺交差点を減速せずに通過できるケースが多いが、日本ではBRTが一時停止をするところがほとんどだ。

これは、日本では専用道も市道扱いのため道路交通法が適用され、原則として交通量の少ない方、つまり専用道側に一時停止を求めるためだ。

かしてつバスも多くの交差点で一時停止をしなくてはならず、渋滞のピーク以外は一般道よりもBRTの方が遅いという矛盾が生じている。ひたちBRTも、交差点の多い第Ⅱ期区間が開業すれば、同様の問題が生じるだろう。今後全国にBRTを普及させるなら、BRTに即した新たな法整備が必要ではないだろうか。

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