足が電気で動く、夢の"脱車椅子"技術 電気刺激の強さで歩幅を調整
スイスのEPFL技術研究所によると、切断されたラットの脊髄に電気刺激を加えることで、麻痺したラットが無意識に障害物も超えて歩くようになった。ヒトへの臨床実験は、近くの病院に新たに導入した歩行用施設で2015年行われる。歩くことができなくなった、脊髄損傷患者に希望をもたらすかもしれない。詳しくみていこう。
電気刺激で歩くことが可能に
この研究用のラットは麻痺しているが、電気的な刺激をその切断された脊髄に適用することで、無意識ながら今は再び歩くことができる。
スイスのEPFL技術研究所の研究者らは、この研究は来年のヒトに対する応用への道を切り開いたと語る。
共同研究者であるグレゴアール・クールティーヌ氏によると、柔軟な電極をげっ歯類の脊髄に移植し電流の刺激を与え、神経伝達物質を調整する薬剤を併用した。
「実験を行ったラットは、脊髄が完全に切断され脳と脊髄の情報交換が全く行われておらず、このために完全に麻痺していました。運動を可能にするために2つのことを行いました。1つは薬理的多剤併用療法で、2つめが切断された脊髄の背側面への電気的な刺激です」(クールティーヌ氏)。