iPhone6、「SIMフリー版」が人気なワケ 契約先を替える予定がない人もSIMフリー

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行列は、表参道から青山通りを左折、赤坂方向へと曲がり、外苑西通りを越え、筆者が取材を始めた午前6時の最後尾は銀座線外苑前駅まで伸びていた。その当時最後尾に並んでいた人に話を聞くと、並び始めたのは午前1時頃とのことだった。

外苑前からアップルストア表参道の行列を取材すると、最も人気のある端末は、容量を問わず、SIMフリーモデルのシルバーだった。元々シルバーを使っていたというユーザーもいたが、端末のデザインを見てシルバーを選んだ、という人も少なくなかった。

またSIMフリーモデルの人気については、現在使っている携帯電話会社を替えるつもりがない人であっても、SIMフリーを選びたいという話が聞けた。

例えばドコモを利用していて、現在契約している通話・データのプランを使い続けたい人は、SIMフリーモデルを選択する。

ソフトバンクやKDDIを利用しているユーザーで、端末が安く買えることを優先する場合は、SIMフリーモデルをあえて選ぶことはないという。

またアジア方面から訪れた人々は、SIMフリーモデルのゴールドを購入するとの意向を語っていた。iPhone 5sでもシルバーとゴールドは人気があったが、引き続き、この2色を選ぶユーザーが多くなりそうだ。

割り込みが発生し、行列に混乱

長く連なった行列

午前6時頃から、アップルストアの店員が行列のチェックに回っていた。夜中行列で並んでいた人以外の人が朝方割り込んで来ているとのことで、列の整理をする必要があったからだ。割り込みを目撃した人から事情を聞くなど、スタッフも対応に追われていた。

並んでいる人には、SMSで受け取ることができる整理券を発行しており、発行された人以外は店頭で購入することができない仕組みだ。ちなみにiPhoneを使っている人には、Passbookのチケットが利用できる仕組みだ。ところが、整理券が発行される前に行列に横から入った人たちを排除することは難しかったようだ。

これは、米国のアップルストアで今まで見かけていた光景でもあった。iPhoneは米国や日本は最も早い段階で発売されるが、初回発売から漏れた中国などの国の人々は、中国に持ち込むことを目的に、行列に並んできた。今まで米国で行列を作っていた人々が、今回日本で行列を作りに来ていたようだ。

理由はいくつか考えられる。日本でもSIMフリーモデルが発売されたこと、日本で発売されるモデルは中国で利用されているTD-SCDMA、TD-LTEに対応しており、中国でもスムーズに利用できることが期待されている。そのため、行列を取材していても、半分かそれ以上は、アジア方面から来た人々だったように見受けられる。

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