ねじれ国会で注目高まる参議院改革の方向を提起--ベスト政治書『参議院とは何か 1947~2010』の著者、竹中治堅氏に聞く

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--票の価値や格差と絡めても議論をしています。

参議院の抑制は、242人いる議員が全体の意思として、内閣と衆議院の立法活動に対して行う。その意思には、選挙での選ばれ方が反映する。一人一票の価値を平等に実現していなければ、せっかくの参議院の抑制の意思も歪んだものになる。

その際、一票の格差は大いに問題だ。神奈川県民や東京都民などは5人でやっと一部地域の1人分。これには誰もが納得いくまい。憲法14条の平等原則が貫徹してこそ、参議院の抑制力も正当なものと認定しやすくなる。そのうえで大選挙区制へ移行してこそ、本来の二院制の機能が発揮できると考えている。
(週刊東洋経済2010年8月14・21日合併特大号 撮影:谷川真紀子)


たけなか・はるかた●政策研究大学院大学教授。1971年生まれ。東京大学法学部卒業、大蔵省入省。米スタンフォード大学でPh.D.(政治学)。政策研究大学院大学准教授、スタンフォード大学客員研究員などを経る。他の著書に『首相支配』など。


『参議院とは何か 1947~2010』
竹中治堅著


中公叢書/2310円

  

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