TOTOが切り込む苛烈なキッチン争奪戦


リフォーム需要と裏腹に急減するキッチン市場

新型キッチンの目玉は、水の出方を調整することで洗浄水量を3割近く減らした「水ほうき水栓」と、流し台に傾斜をつけることで排水性を高めた「すべり台シンク」だ。特に後者は、排水口が中央にある従来型のシンクに比べて倍の金型投資が必要となったが、「TOTOらしいキッチン」を実現させるべく、一大投資に踏み切った。「日本でリフォームを柱にする以上、キッチンは外せない。ショールームアドバイザーの評価も高く、非常に自信を持っている」と、張本邦雄社長の鼻息は荒い。

TOTOがここまでキッチンに入れ込むのにはワケがある。新築の場合、施工業者などが中心となり設備を選ぶが、リフォームの場合は施主が意思決定の主体となる。主婦の滞在時間が最も長いとされるキッチンは、リフォームの入り口であり、最大の目玉と言えるのだ。

ところが、肝心のキッチン市場は低迷が続く。新築着工の急減などを受け、09年の出荷台数はピーク時に比べて3割近くも減少。昨年末には大阪地盤のキッチンメーカーであるミカドが倒産に追い込まれるなど、淘汰が始まっている。

背景にはキッチンという商品の特性もある。金具や天板などの部品を業者から仕入れて、組み立てさえすれば、最低限の機能は確保できる。つまり、トイレやサッシなど他の住宅設備に比べ、参入障壁は低い。

実際に、低価格帯では07年に家具量販大手のニトリが参入した頃から価格競争が一段と激化。最安で15万円台(工事費別)からという価格設定は、市場が縮小をたどる中で大きな存在感を示す。

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