若者は、なぜ「無業状態」に陥ってしまうのか 城繁幸と西田亮介、「若者と仕事」を語る(前編)

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:なぜかと言えば、終身雇用・年功序列のいわゆる日本型雇用が採用されているからです。この辺りは『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』でも解説しましたが、大企業や官公庁では、年齢が上がるにつれて賃金が上がっているので、年齢に相応しいスキルのない人は、“悪”なんです。30歳で職歴がない人は“極悪”です。だから、失業をしたり、無業の期間があって履歴書にブランクがある人は採用されない。

まず、戦後日本の雇用システムの大きな問題は、国が社会保障を企業に丸投げしてしまっていたことです。大企業は、社会保障の一環として、従業員を「終身雇用」することを義務付けられてしまった。「終身雇用」をしなければならないという話になれば、企業はよほど能力のある人しか採らなくなります。ある程度の年齢に達した失業者がなかなか次の職を得ることができなかったり、病気やケガをした人が無業者になってしまう根本的な原因はここにあると私は思います。

労働者を長い期間を預からなければいけないわけですから、企業としては保守的になるのが当然です。最近は、採用の時にメンタルトラブルを出しやすい傾向の人を試験で把握してはじく人事サービスが売り出されたりしていますが、こうした行き過ぎたサービスも、終身雇用が原因ですよ。

ではどうすればいいのか。社会保障を企業から切り離して、ある程度労働者を流動化する。そうすると、企業にとっては「採用する人材のハードル」が下がるので、失業者・無業者にとっても、相対的に状況はよくなる。

対談の後編は9月24日(水)に掲載予定です。

(撮影:今井康一)

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東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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