アフリカに賭ける 布施克彦著
清水孝は、2006年1月、東アフリカのウガンダで事故死した。享年65。アフリカは、商社マンの彼が人生のメインステージに選び、夢を追い続けた場所だった。
五分刈り頭の小柄な男は27歳で勇んで赴任。半そでシャツにジーパン、アタッシェケースをぶら下げ、アポイントも取らずに、日本製品を売り込むため、目についた工場や事務所に飛び込んでいった。
生の喜び、死の恐怖、大いなるものへの畏怖、自然や動植物との共生、そして人間同士の心や魂の触れ合い。それらと直接正面から向き合うことに執着した清水にとって、その諸要素が地球上で最も保存され、露呈している場所がアフリカだったに違いない。
一般にはエリートと呼ばれる人だが、高い地位に出世したわけではない。人間の基本にこだわり、やりたいことをやり通す。そうした人生をどうしたら送れるか思案する人に、主人公の軌跡は大いに参考になる。
彩流社 1995円
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