「大吉」のおみくじで喜ぶ人が知らない本当の意味 現代人はおみくじに刺激を求めすぎている?

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「このように考えてみますと、大吉が出たとしても、喜んでばかりはいられません。大吉は最高にいい状態でありますが、大吉が出たからといって、有頂天になり、慎みを忘れて油断をしたりすると、知らず知らずのうちに、運勢は落ちて行きます。だから大吉とは要注意のおみくじであるのです。

これとは逆に、大凶が出たからといって、ガッカリしたり、落胆する必要はありません。大凶は、これ以上悪くならないというお告げなのです。だから、つねに言動に注意しながら、倦まず弛まず、ひたむきに努力を続けるならば、やがては大吉にも到達できるという、最もありがたいおみくじだということになります。

大吉が出ると高慢になり、また大凶が出ると落ち込む人が多いようですが、これは大きな誤解です。神さまは夜も昼も、皆さんの幸せを祈り、守護してくださっておられます。神さまの御心をそのまま素直に受け止めて、すべてを神さまにお任せするというのが、おみくじの本義なのです」

「平」のくじは年々減り、一時は京都の石清水八幡宮くらいしか扱っていなかったようだが、近年は再び増え始めている。氷川神社(埼玉県)、戸隠神社(長野県)、住吉大社(大阪府)、生國魂神社(大阪府)、下鴨神社(京都府)、伏見稲荷大社(京都府)、厳島神社(広島県)、金刀比羅宮(香川県)、青島神社(宮崎県)、太平山神社(栃木県)、日光の二荒山神社(栃木県)などのおみくじには平が入っているそうだ。

日本書紀にも登場する「くじ」

そもそも、おみくじはどう誕生したのか。占いの歴史は中国に端を発する。くじの類もおそらく中国で生まれたものだろう、と三橋氏は話す。

「おみくじの確かな起源はわかりませんが、720年に成立した日本書紀の齋明天皇4年11月3日の条に、有間皇子が謀反の成功するかしないかを占うのに短籍(ひねりぶみ)をとったとあります。また、続日本紀の天平2年正月16日の条にも、聖武天皇が短籍に、仁・義・礼・智・信の5字を記し、その字により物を賜ったことがみえています。これらの短籍は『たんじゃく』とも読み、それは短く切った薄い木や紙の小片(こびら)で作った籤であることがわかります。そのようなおみくじがすでに奈良時代には活用されていたといえます」

さらに、室町時代初頭になると中国から『天竺霊籤(てんじくれいせん)』が入ってくる。天台宗の中興の祖と呼ばれた元三大師(慈恵大師良源)により「観音みくじ」として広まり、現在のおみくじの原型になったという。

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