東京ベイエリアにある「知られざる廃線跡」を歩く 豊洲の貨物専用線は再開発でほぼ消えたが…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

越中島支線の途中には、小名木川駅(貨物専用)が存在していた。しかし、2000(平成12)年に駅は廃止となり、広大な敷地跡はショッピングモール「アリオ北砂」やマンションに変身した。小名木川駅跡を北上すると貨物線は小名木川を渡る。

現役の路線なので廃線跡ではないものの、橋梁をつぶさに観察していくと鉄道遺産的な見どころが多々あるので、そのまま散策を続けよう。

昭和初期完成のレトロな橋

『シニア鉄道旅の魅力 二人旅から妄想テツ旅まで』(平凡社新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

小名木川橋梁は、1929(昭和4)年に架けられたワーレントラス橋で、複線用のスペースがあるものの、片側に線路は敷かれておらず単線である。

越中島支線の沿線には将来を見越して複線用のスペースが多々あるものの結局、使われずに終わっている。線路を活用して、LRTと呼ばれる次世代型路面電車を走らせる構想が報道されたこともあるが、具体的な進展はない。

江東区の南北を走る鉄道計画としては、半蔵門線の住吉駅と有楽町線の豊洲駅をつなぐ地下鉄の計画があるものの、こちらも進展が見られない。

小名木川橋梁

小名木川を渡ると、線路は築堤上を走る。いくつもの道路と立体交差しているけれど、いずれも架道橋の土台(橋台)に煉瓦が用いられている。先の小名木川橋梁の土台も同じく煉瓦が使われている。今では貴重な構造の建造物と言えるだろう。

やがて貨物線は、都営新宿線西大島駅近くで新大橋通りを越え、首都高速の下をくぐると、大きく右にカーブして京葉道路を斜めに越えて亀戸駅で総武線に合流、すぐにオーバークロスして快速線の北側を並走して終点の新小岩駅へと向かうのである。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事