リクルート、成長加速の"3段ロケット" 10月16日に上場へ、時価総額は1兆円超え
「リクルート○○」という社名はあまた見られるが、それがどのような形で1兆円を超す売上高を形成しているのか。14年3月期の実績を事業セグメント別にみると、全体の売上高のうち約半分6000億円を占めるのが「人材派遣」の事業だ。国内の主要会社にはリクルートスタッフィングと、07年に買収したスタッフサービス・ホールディングスがある。
9月10日に公表された有価証券報告書によれば、この2社合計で約3000億円の売上高、当期純利益は90億円近くある。人材派遣は国内だけでなく、北米や欧州でもサービスを展開している。今後もM&Aなどによる事業展開を推し進める方針だ。
利益率が高い「販促メディア」事業
次に売上高が大きいのが「販促メディア」の事業セグメントで約3200億円。このカテゴリーに含まれるのが、「SUUMO(スーモ)」で住宅関連の情報誌やサイトなどを運営するリクルート住まいカンパニー(14年3月期は純利益28億円)。結婚情報の「ゼクシィ」、自動車関連サービスの「カーセンサー」などを提供するリクルートマーケティングパートナーズ(同30億円)がある。ほかにも、「じゃらん」や「HotPepperグルメ」など日常消費の領域でサービスを行うリクルートライフスタイルの純利益が46億円と大きい。いずれも、12年の持ち株会社化に伴って新設された会社だ。
販促メディア事業の特徴は利益率の高さ。売上高は人材派遣事業の約半分だが、利益は951億円と人材派遣業の3倍近く(営業利益を調整した金額。減価却費やのれん償却額などの控除前)あり、セグメント別では販促メディアの利益が最も大きい。
残る主要な事業セグメントが「人材メディア」の事業で売上げ規模は約2600億円。国内事業の主要会社は、学生向けの就職情報サイト「リクナビ」などを展開するリクルートキャリアで、14年3月は売上高が676億円、純利益が約67億円。「フロム・エー ナビ」や「タウンワーク」といったアルバイト情報や求人情報誌などを手がけるリクルートジョブズも純利益は46億円ある。海外における求人情報検索サイトを運営するIndeed社は12年の買収で傘下に入れた企業で、ユーザー基盤の強化に力を入れている。
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