リクルート、成長加速の"3段ロケット" 10月16日に上場へ、時価総額は1兆円超え
グローバルナンバーワンの道のり
さらなる拡大に向けた課題はないのか。リクルートでは有価証券報告書の「事業等のリスク」の中で「サービス提供媒体に伴うリスク」をその1つに挙げている。同社が事業展開する多くの市場で、フリーペーパーや雑誌など従来の紙媒体から、オンラインサービスへの移行が進んでいることがその理由だ。そして、国内外のSNSなどを利用したオンラインのコミュニケーションが活発化することで、人材メディア事業と人材派遣事業で「競争が更に激しくなる可能性があります」としている。
紙からネットという事業環境の変化に対し、12年のインタビューで峰岸社長は「リクルートの使命は、(ポータルサイトなどで)どれだけ人を集めるかではなく、生活者、消費者と企業を結びつける、『マッチングプレーヤー』としての役割を担うことです。よい就職ができた、よい人材を獲得できたと、双方に満足いただけるサービスをいかに提供していくかに重点を置いています」と話している。
峰岸氏(50)がリクルート社長に就任したのは48才の時。週刊東洋経済の特集「リクルートの正体」で江副浩正氏は、「柏木斉前社長は私の秘書でしたが、峰岸真澄社長と現役時代に一緒に働いたことはなく、人柄もよく知らないのです。今回の社長就任のあいさつに来訪されたときに、10分ほど話しをした程度ですよ」と語っていた。
今15年3月期は売上高が前期比約8%増の1兆2900億円、営業利益は同3%増の1210億円の見通し。「グローバルナンバーワン」を旗頭にさらなる拡大を推し進めるリクルート。長期ビジョンの”第1段階”は人材事業と人材派遣事業で世界トップを目指す2020年だ。株式上場後は、ネットに対応した事業のさらなる拡充と、M&Aを活用した海外展開の加速がポイントになりそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら