コロナ禍に最高益「無印」人気商品が次々出せる訳 ヒットは「つくる」ではなく「探す、見つけ出す」

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「無印良品」の商品開発の秘密に迫ります(写真:今井康一)
2021年8月期決算で過去最高益を達成した「無印良品」を運営する良品計画。同社の業績を支えているのが、「直角靴下」「われ椎茸」「ホテル仕様のタオル」といった独自のヒット商品です。それらは、どのようにして生まれているのか。良品計画前会長の松井忠三氏が解説します。
※本稿は松井氏の著書『無印良品の教え 「仕組み」を武器にする経営』を一部抜粋・再構成したものです。

「われ椎茸」が生まれた理由

無印良品の歴史を語るとき、必ず出てくるのが初期の大ヒット商品、「われ椎茸」です。

当時は、西友(無印良品は当初、西友のプライベートブランドとして生まれた)で形のしっかりした干し椎茸が売られていました。西友生活研究所が、椎茸が家庭でどのように使われているのかを調べたところ、ほとんどが出汁をとるために使われているとわかりました。そして、出汁をとるために使うのなら、形は完璧でなくてもいいのではないか、という話になったのです。

また、椎茸の産地に行くと、形のよい干し椎茸を選ぶには手間がかかることや、割れていたり、形がそろっていなかったりするものは商品にできないので自分たちで使うか、最悪の場合は捨てているのだとわかりました。

そこで、割れたものやふぞろいのものも一緒にして「われ椎茸」と名付け、値段を通常の3割ほど安くして売り出しました。

パッケージには、

「大きさはいろいろ、割れもありますが、風味は変わりません」

と、安くなっている理由を書いたところ効果があり、大ヒット商品になりました。

「干し椎茸は高い」という常識を覆したのも大きかったのでしょう。しまいには割れた干し椎茸の在庫がなくなり、きちんとした干し椎茸を割ってまで売った、と冗談になっていたぐらいです。

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