日本株が低迷しているのは岸田首相のせいなのか 次々と市場に逆風を吹かせる「KY発言」ばかり?
またアメリカの株価指数の中で、小型株の指数であるラッセル2000も、今年3月あたりまではS&P500を上回る上昇を示していた。だが、11月に入って不振が目立つようになっている。
つまり、同じアメリカの株式市場の中でも、リスクが高めの投資対象を避け、「寄らば大樹の陰」と、伝統的な大企業のほうに資金が逃げるという地合いがすでに始まっているといえる。
こうしたリスク回避的な姿勢は今後一段と強まると見込んでいるが、それが債券市場の中では社債から国債への資金シフトを招きそうな一方、証券・金融市場全体では株式から債券への資金移動を引き起こすだろう。
日本株が上昇しにくいのは岸田首相のせい?
ここで注意したいのは、先週だけを切り出して世界の株価指数の騰落率を見ると、アメリカではナスダック総合指数が2.95%、ニューヨークダウが1.68%下落したのに対し、日経平均株価は0.38%、TOPIX(東証株価指数)は0.46%の上昇で、日本株の巻き返しが始まったと“誤解”している人も多いかもしれない。
しかし、17日のアメリカの株価下落を受けて、週明け20日の日本株は下落して始まるだろう。その“時差”を考慮すれば、日本株の対米劣後が終わったと考えるのは早計だ。
実際、直近だけを取り上げなくとも、日本株の“出遅れ”はこのところずっと強まっている。その要因としては「岸田文雄政権の政策がダメだからだ」という声もよく聞く。
確かに「金融所得課税の強化を図っているようにみえる」、あるいは「自社(自己)株買いの規制をほのめかす」などといったことでは、その分だけ日本の株価は上がりにくくなるかもしれない。
また、給付金についても、それで景気が大きく押し上がるかどうか、疑念の声があがっている。政権は「クーポンで支給すれば消費に回るだろう」と考えている節がうかがえるが、家計が総消費額を増やさず、クーポンによる支払いで浮いた現金を貯蓄すれば、支給額がそのまま貯蓄に向かうことと変わりはない。
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