冬も好調なハーゲンダッツが限定品を連投する訳 「今だけ」を楽しみたい消費者は多い

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「当時は直営店で体験として楽しんでいただくことも重視していました。ある時期まで『ハーゲンダッツのファンづくり』には不可欠な存在だったのです」(黒岩さん)

つまり、わざわざ買いに行く商品だった。発売時から高級アイスクリームとして人気だったが、1号店の青山に象徴されるように、場所の特別感もプレミアムイメージを後押しした。

販売先が全国の小売店となった現在は、商品開発も一定の汎用性が求められる。狭い地域で親しまれる味よりも、人気フレーバーを創意工夫して味わいを高める戦略だ。

青山の直営店には女性客が多く訪れた(写真:ハーゲンダッツ ジャパン)

売り上げの主力は定番品の「神8」

こうした限定品で訴求しつつ、ハーゲンダッツには8つの「定番ミニカップ」がある。その中には2019年に定番に昇格したラムレーズンもある。アイドルグループに例えれば“神8”のような存在で、以下の8商品が安定して売れるため、さまざまな限定品で訴求できる。

(1)バニラ、(2)ストロベリー、 (3)グリーンティー 、(4)クッキー&クリーム、 (5)マカデミアナッツ、 (6)クリスプチップチョコレート、(7)リッチミルク、(8)ラムレーズンの8商品で、売れ行きトップ3は長年(1)~(3)で変わらない。

定番品のトップ3は「バニラ」「ストロベリー」「グリーンティー」の順だ(写真:ハーゲンダッツ ジャパン)

今回、若い世代の声も聞いたので、その一部も紹介しよう。

「よく食べるのはクッキー&クリーム。小学生の頃からお気に入りです」(20代女性)

「印象に残っているフレーバーはラムレーズン! 香りに驚きでした」(別の20代女性)

「クッキー&クリーム派ですが、フォンダンショコラも印象的」(30代男性)

「時々食べるのはグリーンティー。華もちシリーズも食べました」(20代男性)

また、「あなたにとってのハーゲンダッツを人物に例えると?」と聞いたところ、

気取った部分も親しみやすさもある、というニュアンスのことを答えてくれた人もいた。

次ページなぜ日本人は「限定品」に弱いのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事