都心から1時間が決め手、東武「沿線開発」の勝算 東武動物公園や南栗橋の駅前で次々と進行中

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東武動物公園駅西口に開業した大型商業施設。東武ストアと無印良品が入居する(記者撮影)

埼玉県宮代町。その名を知らなくても、宮代町にあるレジャー施設、東武動物公園なら誰もが知っているだろう。

宮代町は春日部市、久喜市の中間に位置し、人口は3.3万人。かつて春日部市や周辺の町と合併する案が検討されたことがあったが、住民投票を行った結果、宮代町は否決した。町民は自分たちが住む町に強い愛着を感じているのだ。

東武動物公園駅の周辺は住宅街。町内には日本工業大学があり多くの学生が町内に居住しているせいか、街中には若者の姿が目立つ。駅の西口から600m離れた東武動物公園に向かってぶらぶら歩くと、機関車の扇形庫のような形をした「コミュニティセンター進修館」、地元で「竜宮城」と形容されることもあるという笠松小学校の校舎などユニークな形をした建造物が目を引く。

市街地と田園が共存

東武動物公園を通り過ぎてさらに少し歩くと、雑木林が隣接する農業公園「新しい村」が姿をあらわす。この辺は自然の景観があふれており、宮代町は市街地と田園が共生する町だといえる。

駅名にもなっているレジャー施設「東武動物公園」の入り口(記者撮影)

町の中心にある東武動物公園駅から都心までは電車でおよそ1時間。宮代町の就業者を通勤先別で見ると町外で働く人のうち東京23区で働く人は2割程度だが、テレワークの普及により、豊かな自然環境が充実した宮代町はウィズコロナの時代における住まい選びの選択肢としてこの比率がさらに高まる可能性もある。

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