iPhone6登場! 注目すべき3つのポイント アンドロイドを突き放すことはできた?

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3つ目がNFCの内蔵である。これまでアップルは、たびたびNFCの搭載を検討してきた。あちこちから電波干渉を防止するフィルム素材などを取り寄せ、試作を何度か作っていたが採用してこなかった。ひとつには金属で覆われるデザインとの相性の悪さもあったが、今回はアップルマークにNFCアンテナを仕込んだようだ。

アップルがNFCを採用してこなかった理由は、”NFCを何に、どのように使うか”というアプリケーション面に課題があったためだ。チケット発行などの簡素な使い方ならば、NFCのような別途端末が必要な技術を使わなくとも、QRコードなどを読み取るだけでいい。

そんなアップルがNFCのもっとも典型的なアプリケーションとして選んだのは、やはりクレジットカード決済「Apple Pay」だった。iPhoneのカメラでクレジットカードのフィエスを撮影し、それをPassbookに登録しておくとクレジットカード決済に必要な情報を認識し、対応NFC端末のある店舗で支払いができる。アメリカン・エキスプレス、VISA、マスターカードが対応し、全米22万カ所で利用可能になる。ファーストフード店からデパート専門店まで幅広くカバーし、10月にサービスインとのことだが、今のところ米国のみでしか利用できない。

アンドロイドを突き放すことはできなかった

さて、iPhone 6はあらたなるイノベーションの幕を下ろす歴史的な製品になるのだろうか。確かに素晴らしい製品である上、iOSとiPhone、それにiTunesが創りだす世界観に、グーグルはまだ追いついていない。しかし、感覚的にその差はかなり縮まっているというのが、単体製品としてのiPhone 6の発表を見ての偽らざる感想だ。

その一方で、"iWatch"と巷では言われていたApple Watchは、この分野の製品に関する一つのベンチマークになる製品になりそうだ。冒頭のFlint Centerに話を戻すならば、後に歴史に刻む製品が発表された場として引用されるとするなら、iPhone 6ではなくApple Watchのほうになるだろう。

”もし、歴史に名を刻むならば”だが、その可能性がより高いのは時計の方だと思う。もちろん、問題がないわけではない。しかし、ひとつの節目になる製品だとは思う。こちらについては別のコラムとしてまとめることにしたい。
 

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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